TOP > 国内特許検索 > 身体の運動機能の検査装置

身体の運動機能の検査装置 NEW 新技術説明会

国内特許コード P210017402
整理番号 (2018-037)
掲載日 2021年1月27日
出願番号 特願2020-089351
公開番号 特開2020-199249
出願日 令和2年5月22日(2020.5.22)
公開日 令和2年12月17日(2020.12.17)
優先権データ
  • 特願2019-107795 (2019.6.10) JP
発明者
  • 中島 重義
  • 泉本 泰佑
  • 弓永 久哲
出願人
  • 公立大学法人大阪
発明の名称 身体の運動機能の検査装置 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】F波に基づいて身体の運動機能を検査する新たな方法を提供する。
【解決手段】身体の運動機能の検査装置が提供される。前記検査装置は、被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標の度数分布を作成し、前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似し、前記度数分布から前記第1種の確率分布が支配する部分を除去した分布であって、前記誘発されるF波の強度の分布である強度分布を導出し、前記強度分布の累積分布の逆関数の微分であって、前記誘発されるF波の抑制の強さの分布である抑制分布を導出する。前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布である。前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

F波とは、運動神経に刺激を与えたときに誘発される筋電位である。運動神経線維に電気刺激が加えられると、そのインパルスが運動神経線維を逆行性に伝導し、脊髄内の前角細胞を興奮させ、そのインパルスが運動神経線維を順行性に伝導し、これがF波として記録される。F波は、全身の多くの筋で容易に記録することが可能であり、神経内科等では疾患の鑑別診断の補助に用いられている。また、M波とは、運動神経線維を順行性に伝導するインパルスを記録した筋電位である。図1は、M波及びF波の波形図であり、F波は、M波に続いて記録される。

M波に参加する発火運動単位は、約数百個程度と考えられている。一方、健常者の通常のF波は、0個から数個程度の発火運動単位の電位から構成され、非常に微弱な筋電位となる。F波は、運動神経のみが関与することから、その出現は、運動神経細胞の興奮の確率に依存する。そのため、毎回の試行でF波の振幅が安定せず、ばらつきが大きくなる。これは、正常な脊髄内の前角細胞には大小様々なサイズが存在しており、F波の振幅が発火する前角細胞の数とサイズに依存するからと考えられる。このため、F波は不規則となる。しかし、潜時や出現頻度、M波に対する振幅比(F/M振幅比)は、健常者ではある範囲内で類似するため再現性が高く、臨床的に応用されている。なお、F波の振幅は、一般に被験者毎、同じ被験者であっても測定条件毎に様々であるため、これに代えて、最大上刺激のM波を基準にしたF/M振幅比がしばしば用いられる(非特許文献1)。また、F/M振幅比としては、10回~20回の測定を行い、その平均値が用いられる(非特許文献2)。

産業上の利用分野

本発明は、被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波に基づいて、被験者の身体の運動機能を検査する検査装置、プログラム及び方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
身体の運動機能の検査装置であって、
被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標を取得するデータ取得部と、
前記多数のF指標に基づいて、前記F指標の度数分布を作成する分布作成部と、
前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似する近似部と、
前記度数分布から前記第1種の確率分布が支配する部分を除去した分布であって、前記誘発されるF波の強度の分布である強度分布を導出し、前記強度分布の累積分布である強度累積分布を導出し、前記強度累積分布の逆関数を導出し、前記逆関数の微分であって、前記誘発されるF波の抑制の強さの分布である抑制分布を導出する抑制分析部と、
を備え、
前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布であり、
前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である、
検査装置。

【請求項2】
前記抑制分布を出力する結果出力部
をさらに備える、
請求項1に記載の検査装置。

【請求項3】
前記抑制分布に基づいて、前記運動機能を判定する判定部
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の検査装置。

【請求項4】
身体の運動機能の検査装置であって、
被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標を取得するデータ取得部と、
前記多数のF指標に基づいて、前記F指標の度数分布を作成する分布作成部と、
前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似する近似部と、
前記度数分布に対する前記第1種の確率分布の支配量、及び、前記度数分布に対する前記第2種の確率分布の支配量の少なくとも一方に応じて、前記運動機能を表す運動指標を導出する指標導出部と
を備え、
前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布であり、
前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である、
検査装置。

【請求項5】
前記運動指標を所定の閾値と比較することにより、前記運動機能を判定する判定部
をさらに備える、
請求項4に記載の検査装置。

【請求項6】
前記運動指標を出力する結果出力部
をさらに備える、
請求項4又は5に記載の検査装置。

【請求項7】
前記近似部は、期待値最大法により、前記度数分布を前記複数の確率分布の重ね合わせとして近似する、
請求項1から6のいずれかに記載の検査装置。

【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の検査装置と、
前記検査装置に接続され、前記運動神経に刺激を与え、それにより誘発される前記F波を測定する誘発筋電計と
を備える、
検査キット。

【請求項9】
身体の運動機能の検査プログラムであって、
被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標を取得することと、
前記多数のF指標に基づいて、前記F指標の度数分布を作成することと、
前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似することと、
前記度数分布から前記第1種の確率分布が支配する部分を除去した分布であって、前記誘発されるF波の強度の分布である強度分布を導出することと、
前記強度分布の累積分布である強度累積分布を導出することと、
前記強度累積分布の逆関数を導出することと、
前記逆関数の微分であって、前記誘発されるF波の抑制の強さの分布である抑制分布を導出することと
をコンピュータに実行させ、
前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布であり、
前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である、
検査プログラム。

【請求項10】
身体の運動機能の検査方法であって、
被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標を取得することと、
前記多数のF指標に基づいて、前記F指標の度数分布を作成することと、
前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似することと、
前記度数分布から前記第1種の確率分布が支配する部分を除去した分布であって、前記誘発されるF波の強度の分布である強度分布を導出することと、
前記強度分布の累積分布である強度累積分布を導出することと、
前記強度累積分布の逆関数を導出することと、
前記逆関数の微分であって、前記誘発されるF波の抑制の強さの分布である抑制分布を導出することと
を含み、
前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布であり、
前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である、
検査方法。

【請求項11】
身体の運動機能の検査プログラムであって、
被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標を取得することと、
前記多数のF指標に基づいて、前記F指標の度数分布を作成することと、
前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似することと、
前記度数分布に対する前記第1種の確率分布の支配量、及び、前記度数分布に対する前記第2種の確率分布の支配量の少なくとも一方に応じて、前記運動機能を表す運動指標を導出することと
をコンピュータに実行させ、
前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布であり、
前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である、
検査プログラム。

【請求項12】
身体の運動機能の検査方法であって、
被験者の運動神経に刺激を与えたときに誘発されるF波の振幅を表す多数のF指標を取得することと、
前記多数のF指標に基づいて、前記F指標の度数分布を作成することと、
前記度数分布を、それぞれが第1種の確率分布又は第2種の確率分布のいずれか一方である複数の確率分布の重ね合わせとして近似することと、
前記度数分布に対する前記第1種の確率分布の支配量、及び、前記度数分布に対する前記第2種の確率分布の支配量の少なくとも一方に応じて、前記運動機能を表す運動指標を導出することと、
前記運動指標に応じて、前記運動機能を判定することと
を含み、
前記第1種の確率分布は、生起確率が一定値よりも低いポアソン分布であり、
前記第2種の確率分布は、生起確率が前記一定値以上のポアソン分布又はガウス分布である、
検査方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4C127AA04
  • 4C127DD03
  • 4C127GG13
  • 4C127KK03
  • 4C127KK05
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2020089351thum.jpg
出願権利状態 公開


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close