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エッジ起因錯視生成装置、エッジ起因錯視生成方法、エッジ起因錯視生成プログラム、印刷媒体、ならびに、記録媒体

国内特許コード P210017415
整理番号 (AF16P010)
掲載日 2021年1月29日
出願番号 特願2018-534410
出願日 平成29年8月16日(2017.8.16)
国際出願番号 JP2017029433
国際公開番号 WO2018034302
国際出願日 平成29年8月16日(2017.8.16)
国際公開日 平成30年2月22日(2018.2.22)
優先権データ
  • 特願2016-159771 (2016.8.16) JP
発明者
  • 新井 仁之
  • 新井 しのぶ
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 エッジ起因錯視生成装置、エッジ起因錯視生成方法、エッジ起因錯視生成プログラム、印刷媒体、ならびに、記録媒体
発明の概要 任意の画像に適用でき、煩雑な作業をすることなく自動的にエッジ起因錯視を発生させることができ、またエッジ起因錯視を利用してコントラスト改善を図ることができる、エッジ起因錯視生成装置、方法、プログラム、記録媒体等を提供することを課題とする。方位性のないフィルタもしくは方位性をもった偶型フィルタであって、且つ、比較的高い周波数の帯域を通過させるフィルタもしくは高域通過フィルタ、または、方位性のない近似フィルタおよび各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である方位選択性ウェーブレット・フレームもしくは方位選択性フィルタ・バンクである、二次元ディジタルフィルタを、画像データに対して適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出すことにより、および/または、取り出した帯域成分もしくは高周波成分のエッジに彩色を施すことにより、エッジ起因錯視画像を生成すること、を特徴とする。
従来技術、競合技術の概要

従来、エッジをもつ領域の輝度や色彩が実際とは異なった輝度に見える錯視が発見されている。

例えば、従来、クレイク・オブライエン・コーンスイート効果が知られている。この錯視では、実際には同じ明るさの領域の境界に、階調が急峻に変化する部分がなだらかな変化の間にあるようなエッジを設けることによって、エッジの両側の領域の明るさが違って見える。ここで、下の図表は、クレイク・オブライエン・コーンスイート効果の輝度の変化を表わすイメージ図であり、実線は、実際の輝度を示しており、破線は知覚される輝度を示している。このように、クレイク・オブライエン・コーンスイート効果は、エッジで仕切られた同じ輝度の2つの隣り合う領域において、一方の領域からそのエッジの中の急峻な部分への輝度が滑らかな暗い変化で、もう一方が滑らかな明るい変化の場合、2つの領域の輝度が異なって見える錯視を引き起こす効果がある。
【表1】
(省略)

また、従来、墨絵効果が知られている(非特許文献2等参照)。この墨絵効果では、実際には同じ明るさの領域の境界に、異なる一様な階調の2本の線を隣り合せて急峻に変化するエッジをつくることにより、エッジの両側の領域の明るさが違って見える。下の図表は、墨絵効果の輝度の変化を表わすイメージ図であり、輝度の異なる2本の波打った矩形波型の線がエッジをなすとき、それぞれのエッジに囲まれる領域が、同じ輝度であるにもかかわらず異なって見える錯視を引き起こす。
【表2】
(省略)

色彩に関して、従来、水彩錯視が知られている(非特許文献6,7等参照)。水彩錯視は、線で囲まれた領域が実際とは異なる色に見える錯視であり、隣接する明るい色の線と暗い色の線で囲まれた領域が内側の線の色で薄く彩色されているように見える。なお、線の形状は、直線よりも波線の方が錯視が強く、明るい色が内側の時、また地が白の時に錯視効果が高くなることが知られている。また、ドットからなる点線でも錯視が起こることが報告されている(非特許文献6)。

このように、エッジをもつ領域の輝度や色彩が、実際とは異なるように見える錯視(以下「エッジ起因錯視」と呼ぶ。)が幾つか見出されている(非特許文献1~7等参照)。

産業上の利用分野

本発明は、エッジ起因錯視生成装置、エッジ起因錯視生成方法、エッジ起因錯視生成プログラム、印刷媒体、ならびに、記録媒体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
記憶部と制御部を少なくとも備えたエッジ起因錯視生成装置であって、
前記記憶部は、
方位性のないフィルタもしくは方位性をもった偶型フィルタであって、且つ、比較的高い周波数の帯域を通過させるフィルタもしくは高域通過フィルタ、または、方位性のない近似フィルタおよび各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である方位選択性ウェーブレット・フレームもしくは方位選択性フィルタ・バンクである、二次元ディジタルフィルタを記憶するフィルタ記憶手段と、
画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像データに対して、前記二次元ディジタルフィルタを適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出すことにより、および/または、前記画像データに対して、前記二次元ディジタルフィルタを適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出し、前記取り出した帯域成分もしくは高周波成分のエッジに彩色を施すことにより、エッジ起因錯視画像を生成すること、
を特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項2】
請求項1に記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記制御部は、
前記二次元ディジタルフィルタを用いて、前記画像データに対して、多重解像度分解を行うことを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項3】
請求項1または2に記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記フィルタ記憶手段は、
前記画像データと同一の画像サイズの単位インパルス信号に対して前記二次元ディジタルフィルタを予め適用した単位インパルス応答を記憶することを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記フィルタ記憶手段は、
方位性のない近似フィルタ、および、各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である、次数を有する広義かざぐるまフレームレットまたはかざぐるまウェーブレット・フレームを記憶することを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項5】
請求項4に記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記制御部は、
前記近似フィルタと高次数の前記詳細フィルタに対応するサブバンド信号を相対的に減衰させ、低次数の前記詳細フィルタに対応するサブバンド信号を相対的に増幅させることにより、前記エッジ起因錯視画像を生成することを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項6】
請求項4に記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記制御部は、
前記近似フィルタと低次数の前記詳細フィルタに対応するサブバンド信号を相対的に減衰させ、高次数の前記詳細フィルタに対応するサブバンド信号を相対的に増幅させることにより、前記エッジ起因錯視画像を生成することを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記制御部は、
前記比較的高い帯域成分あるいは前記高周波成分からなるエッジをエッジごとに一様な値に置き換えることにより前記エッジ起因錯視画像を生成することを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記制御部は、
前記取り出した帯域成分もしくは高周波成分のエッジに彩色を施し、前記エッジ以外の地の色を所定の色にすることを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のエッジ起因錯視生成装置は、
コントラストの改善を目的として前記エッジ起因錯視画像を生成することを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項10】
請求項9に記載のエッジ起因錯視生成装置において、
前記制御部は、
コントラストの改善を目的として、
生成した前記エッジ起因錯視画像を、階調を適切にスケーリングしてから、もとの前記画像データに重畳的に足し合わせることを特徴とする、エッジ起因錯視生成装置。

【請求項11】
記憶部と制御部を少なくとも備えたコンピュータにおいて実行されるエッジ起因錯視生成方法であって、
前記記憶部は、
方位性のないフィルタもしくは方位性をもった偶型フィルタであって、且つ、比較的高い周波数の帯域を通過させるフィルタもしくは高域通過フィルタ、または、方位性のない近似フィルタおよび各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である方位選択性ウェーブレット・フレームもしくは方位選択性フィルタ・バンクである、二次元ディジタルフィルタを記憶するフィルタ記憶手段と、
画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
を備えており、
前記制御部において実行される、
前記画像データに対して、前記二次元ディジタルフィルタを適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出すことにより、および/または、前記画像データに対して、前記二次元ディジタルフィルタを適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出し、前記取り出した帯域成分もしくは高周波成分のエッジに彩色を施すことにより、エッジ起因錯視画像を生成すること、
を特徴とする、エッジ起因錯視生成方法。

【請求項12】
記憶部と制御部を少なくとも備えたコンピュータに実行させるためのエッジ起因錯視生成プログラムであって、
前記記憶部は、
方位性のないフィルタもしくは方位性をもった偶型フィルタであって、且つ、比較的高い周波数の帯域を通過させるフィルタもしくは高域通過フィルタ、または、方位性のない近似フィルタおよび各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である方位選択性ウェーブレット・フレームもしくは方位選択性フィルタ・バンクである、二次元ディジタルフィルタを記憶するフィルタ記憶手段と、
画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
を備えており、
前記制御部に、
前記画像データに対して、前記二次元ディジタルフィルタを適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出すことにより、および/または、前記画像データに対して、前記二次元ディジタルフィルタを適用して、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分を取り出し、前記取り出した帯域成分もしくは高周波成分のエッジに彩色を施すことにより、エッジ起因錯視画像を生成すること、
を実行させるための、エッジ起因錯視生成プログラム。

【請求項13】
エッジ起因錯視画像の画像データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記エッジ起因錯視画像は、
画像データにおいて、
方位性のないフィルタもしくは方位性をもった偶型フィルタであって、且つ、比較的高い周波数の帯域を通過させるフィルタまたは高域通過フィルタ、もしくは、方位性のない近似フィルタおよび各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である方位選択性ウェーブレット・フレームもしくは方位選択性フィルタ・バンクである、二次元ディジタルフィルタを適用してなるエッジ起因錯視画像であって、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分が取り出され、および/または、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分が取り出されて、前記帯域成分もしくは前記高周波成分のエッジに彩色が施されていること、
を特徴とする画像データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【請求項14】
エッジ起因錯視画像が印刷された印刷媒体であって、
前記エッジ起因錯視画像は、
画像データにおいて、方位性のないフィルタもしくは方位性をもった偶型フィルタであって、且つ、比較的高い周波数の帯域を通過させるフィルタもしくは高域通過フィルタ、または、方位性のない近似フィルタおよび各方位性をもった複数の詳細フィルタの集合である方位選択性ウェーブレット・フレームもしくは方位選択性フィルタ・バンクである、二次元ディジタルフィルタを適用してなるエッジ起因錯視画像であって、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分が取り出され、および/または、比較的高い周波数の帯域成分もしくは高周波成分が取り出されて、前記帯域成分もしくは前記高周波成分のエッジに彩色が施されていること、
を特徴とする印刷媒体。
国際特許分類(IPC)
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