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放射性物質検知装置、放射性物質検知方法 UPDATE

国内特許コード P210017432
整理番号 14172
掲載日 2021年2月19日
出願番号 特願2019-066560
公開番号 特開2020-165807
出願日 平成31年3月29日(2019.3.29)
公開日 令和2年10月8日(2020.10.8)
発明者
  • 森下 祐樹
  • 鳥居 建男
  • 宇佐美 博士
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 放射性物質検知装置、放射性物質検知方法 UPDATE
発明の概要 【課題】透過力の低い放射線を高感度で検知し、これによって放射性物質を検知する。
【解決手段】試料Sにおいては、平面状のろ紙Fの一方の側の表面に測定対象物質粒子Rが転写されている。第1検出部11はこの測定対象物質粒子Rが転写された表面側に密着して使用される。一方、第2検出部12は第1検出部11とは上下関係が反転された状態で試料Sの反対側の表面側に密着されて使用される。第1検出部11によって得られた第1スペクトルから第2検出部12によって得られた第2スペクトルを減算したエネルギースペクトルを算出することができる。このエネルギースペクトルにおいては、β線の影響が低減され、α線の影響が強調される。このため、このα線を発する放射性物質を高感度で検知することができる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要

特定の放射性物質(放射性核種)が発する放射線、及びそのエネルギースペクトルを認識することによって、この放射性物質の有無や存在量を認識することが可能である。例えば、試料から発せられたα線を検知してそのエネルギースペクトルを測定し、このエネルギースペクトルがプルトニウム(Pu)原子核の壊変で発せられるα線のものと一致すれば、この試料にPuが存在していると判定することができる。一般的に、放射線検出器においては、放射線を検出した際に出力されたパルス信号のパルス高が放射線のエネルギーに対応し、その単位時間当たりのカウント数がこの放射線の強度に対応するため、放射線を検出する毎にエネルギーを測定し、そのヒストグラムを作成したものがエネルギースペクトルとなり、このエネルギースペクトルを認識することによって放射性核種の存在を判定することができる。

一方で、試料に複数種類の放射性核種が混在している場合や、放射線のバックグラウンドが高い環境下においては、検知対象の放射線(Puの場合にはα線)以外の放射線も、放射線検出器に入射するため、例えば検知対象となる核種の発する放射線のみを測定することは困難となる。

放射線検出器としては、例えば放射線を吸収することにより可視光の微弱な発光をするシンチレータを用いたものがある。この微弱な発光は、例えば光電子増倍管で検知することができる。しかしながら、シンチレータは、α線だけでなく、β線やγ線を吸収することによっても同様に発光する。非特許文献1には、β線やγ線のバックグラウンドが高い環境下においてα線を特に優先的に検知するために最適化されたシンチレータを用いることが記載されている。

一般的に、通常の放射性核種から発せられるα線、β線、γ線の中では、α線の透過力が最も低い。このため、ここでは、β線、γ線がシンチレータを透過しやすく、かつα線がシンチレータで十分に吸収されやすくするために、シンチレータが薄い板状とされる。このため、このシンチレータによって、β線やγ線が混在する環境下においても、α線を優先的に検知することができる。これにより、α線の測定により例えばPuを高精度で検知することができる。

また、測定対象となる試料の形態としては、例えば、特許文献1に記載されたようなスミヤ試料がある。スミヤ試料は、拭き取り部材(ろ紙等)で放射性廃棄物等で汚染された部材の表面が拭き取られ、汚染物質が拭き取り部材の表面に転写されたものである。こうした試料に対しては、前記のシンチレータを薄く広い平板状とし、この平板中でα線の吸収によって生じた発光の2次元分布を撮像することによって、試料中におけるこのα線を発した放射性核種の2次元分布も測定することができる。この撮像のためには、例えば、位置検出型光電子増倍素子が用いられる。

産業上の利用分野

本発明は、特定の放射性物質を検知する放射性物質検知装置、放射性物質検知方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
薄板状の試料下地の一方の面に測定対象物質が付着した試料から発せられる放射線を検出することにより、前記測定対象物質における放射性物質を検知する放射性物質検知装置であって、
前記放射線には、透過力が低く前記放射性物質が発する第1放射線と、透過力が高い第2放射線とが含まれ、
前記試料の一方側で前記放射線を検出する第1検出部と、
前記試料の他方側で前記放射線を検出する第2検出部と、
前記第2検出部の検出結果である第2検出結果を用いて前記第1検出部の検出結果である第1検出結果を補正し、前記第1検出結果における前記第2放射線の影響を低減した補正後検出結果を得る演算部と、
を具備することを特徴とする放射性物質検知装置。

【請求項2】
前記第1検出部及び前記第2検出部は、それぞれにおいて、
前記放射線を吸収することによって発光をするシンチレータと、
前記シンチレータからの発光を検出する光検出器と、を具備することを特徴とする請求項1に記載の放射性物質検知装置。

【請求項3】
前記シンチレータにおける前記試料側の面に薄膜状の遮光層が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の放射性物質検知装置。

【請求項4】
前記シンチレータは、前記試料と対向する表面を具備する板状とされ、
前記光検出器は、当該表面に対応した2次元画像を撮像する2次元光検出器とされたことを特徴とする請求項2又は3に記載の放射性物質検知装置。

【請求項5】
前記2次元光検出器は位置検出型シリコン光電子増倍管であることを特徴とする請求項4に記載の放射性物質検知装置。

【請求項6】
前記第1検出結果及び前記第2検出結果は、前記放射線のエネルギースペクトルであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の放射性物質検知装置。

【請求項7】
薄板状の試料下地における一方の面に測定対象物質が付着した構成を具備する試料が発する放射線を分析することによって前記測定対象物質に含まれる放射性物質の検知を行う放射性物質検知方法であって、
前記放射線には、透過力が低く前記放射性物質が発する第1放射線と、透過力が高い第2放射線とが含まれ、
前記試料の一方の側で前記放射線を検出した第1検出結果を得る第1検出工程と、
前記試料の他方の側で前記放射線を検出した第2検出結果を得る第2検出工程と、
前記第2検出結果を用いて前記第1検出結果を補正することによって、前記第1検出結果における前記第2放射線の影響を低減した補正後検出結果を得る演算工程と、
前記補正後検出結果を基にして前記放射性物質の検知を行う検知工程と、
を具備することを特徴とする放射性物質検知方法。

【請求項8】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の放射性物質検知装置を用いて前記第1検出結果及び前記第2検出結果を得ることを特徴とする請求項7に記載の放射性物質検知方法。

【請求項9】
請求項4又は5に記載の放射性物質検知装置を用い、
前記第1検出結果を前記2次元光検出器の画素毎に得ることにより、前記第1検出結果、又は前記補正後検出結果を画像化して表示する表示工程を具備することを特徴とする請求項7に記載の放射性物質検知方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2G188AA16
  • 2G188AA23
  • 2G188BB02
  • 2G188BB04
  • 2G188BB05
  • 2G188BB06
  • 2G188BB15
  • 2G188CC12
  • 2G188CC15
  • 2G188CC21
  • 2G188CC23
  • 2G188CC32
  • 2G188DD05
  • 2G188DD09
  • 2G188EE07
  • 2G188EE14
  • 2G188EE28
  • 2G188EE29
  • 2G188EE36
  • 2G188FF02
  • 2G188FF05
  • 2G188GG01
  • 2G188HH03
画像

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出願権利状態 公開
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