酸水酸化物及びその製造方法、プロトン伝導体、並びに触媒担体
国内特許コード | P210017442 |
---|---|
整理番号 | P2018-203780 |
掲載日 | 2021年3月12日 |
出願番号 | 特願2018-203780 |
公開番号 | 特開2020-070203 |
出願日 | 平成30年10月30日(2018.10.30) |
公開日 | 令和2年5月7日(2020.5.7) |
発明者 |
|
出願人 |
|
発明の名称 | 酸水酸化物及びその製造方法、プロトン伝導体、並びに触媒担体 |
発明の概要 |
【課題】中温域で水が脱離せずに熱的安定性が高い新規の酸水酸化物及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】本発明に係る酸水酸化物は、Ba2In2O4(OH)2で表され、六方晶構造を有するものである。このような酸水酸化物は、30体積%以上の水蒸気を含む雰囲気下、300℃以上で加熱することにより製造することができる。 【選択図】図5 |
従来技術、競合技術の概要 |
酸水酸化物は、複数種のアニオンが同一化合物に含まれる複合アニオン化合物の一つである。この酸水酸化物は、酸化物イオン(O2-)と水酸化物イオン(OH-)が共存す る化合物である。複合アニオン化合物は単純な酸化物と比較し、特異な結晶構造や配位環境を有していることから、酸水酸化物は、触媒担体、イオン伝導体、電極触媒等への応用が期待されている。 ところで、触媒担体、イオン伝導体、電極触媒等の各種材料として用いる場合、その用途によっては中温域(400~600℃)で使用されることもある。しかしながら、酸水酸化物は、通常その結晶格子中に内包される水分子が約300℃までしか安定に存在できず、中温域では水が脱離するため、このような温度で酸化物イオン(O2-)と水酸化物イオン(OH-)が共存する酸水酸化物に特異的な結晶構造を維持することができない。 このような材料として、例えば非特許文献1には、正方晶の酸水酸化物Ba2In2O5(H2O)xが、約300℃より水の脱離を起こし、中温域で酸水酸化物の結晶構造を維持できないことが報告されている。なお、この正方晶Ba2In2O5(H2O)xは、300℃以下の低温ではプロトン伝導性を有する材料であるが、約300℃以上では、水の脱離により結晶構造を維持できず、そのプロトン伝導性は失われる。 |
産業上の利用分野 | 本発明は、酸水酸化物及びその製造方法、イオン伝導体、プロトン伝導体、並びに触媒担体に関する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 Ba2In2O4(OH)2で表され、 六方晶構造を有する、酸水酸化物。 【請求項2】 Ba2In2O4(OH)2で表され、 X線回折測定によって測定した回折パターンにおいて、回折ピークが少なくとも、 2θ=8.91~9.41°、18.12~18.62°、23.73~24.23°、27.44~27.94°、29.75~30.25°、31.73~32.23°、39.56~40.06°、44.93~45.43° の範囲に現れる結晶構造を有する、酸水酸化物。 【請求項3】 X線回折測定によって測定した回折パターンにおいて、2θ=27.44~27.94°の範囲に現れる回折ピーク強度を100%としたときの、それぞれの前記回折ピークが、 29~43% (2θ=8.91~9.41°) 11~17% (2θ=18.12~18.62°) 9~13% (2θ=23.73~24.23°) 7~11% (2θ=29.75~30.25°) 30~45% (2θ=31.73~32.23°) 5~8% (2θ=39.56~40.06°) 8~12% (2θ=44.93~45.43°) となる強度で現れる結晶構造を有する、請求項2に記載の酸水酸化物。 【請求項4】 昇温速度10℃/分で25℃から600℃まで昇温したときの質量減が、加熱前の質量に対し、2.7質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の酸水酸化物。 【請求項5】 請求項1~4のいずれか1項に記載の酸水酸化物を含む、プロトン伝導体。 【請求項6】 請求項1~4のいずれか1項に記載の酸水酸化物を含む、触媒担体。 【請求項7】 Ba2In2O5を、30体積%以上の水蒸気を含む雰囲気下、300℃以上で加熱することにより、Ba2In2O4(OH)2で表され、且つ六方晶構造を有する酸水酸化物を得る、酸水酸化物の製造方法。 【請求項8】 Ba2In2O5を、30体積%以上の水蒸気を含む雰囲気下、300℃以上で加熱することにより、Ba2In2O4(OH)2で表され、且つX線回折測定によって測定した回折パターンにおいて、回折ピークが、2θ=8.91~9.41°、18.12~18.62°、23.73~24.23°、27.44~27.94°、29.75~30.25°、31.73~32.23°、39.56~40.06°、44.93~45.43°の範囲に現れる結晶構造を有する酸水酸化物を得る、酸水酸化物の製造方法。 |
画像
※ 画像をクリックすると拡大します。 |
|
出願権利状態 | 公開 |
参考情報 (研究プロジェクト等) | 本橋研究室 |
英語項目の表示
発明の名称 | ACID HYDROXIDE, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, PROTON CONDUCTOR, AND CATALYST CARRIER |
---|---|
発明の概要 | The present invention relates to an acid hydroxide and a method for producing the same, an ion conductor, a proton conductor and a catalyst carrier. |
※
本技術について、ライセンスや共同研究等をご希望の方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。
『 酸水酸化物及びその製造方法、プロトン伝導体、並びに触媒担体』に関するお問合せ
- 学校法人神奈川大学 研究支援部
- URL: https://www.kanagawa-u.ac.jp/
-
E-mail:
- Address: 〒221-8686 神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1
- TEL: 045-481-5661(内線4805)
- FAX: 045-481-6077