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固体微粒子で被覆された金属を含む複合体の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P210017450
整理番号 (2017-024)
掲載日 2021年3月12日
出願番号 特願2019-549238
出願日 平成30年10月12日(2018.10.12)
国際出願番号 JP2018038040
国際公開番号 WO2019078100
国際出願日 平成30年10月12日(2018.10.12)
国際公開日 平成31年4月25日(2019.4.25)
優先権データ
  • 特願2017-200202 (2017.10.16) JP
発明者
  • 西山 宏昭
  • 梅津 寛
出願人
  • 国立大学法人山形大学
発明の名称 固体微粒子で被覆された金属を含む複合体の製造方法 新技術説明会
発明の概要 従来技術では達成することが困難であった、固体微粒子の集積を容易に実施し、パターン形成も容易にする技術を提供する。
金属のイオン、コロイド、及び/または錯体を含む溶液に、超短パルスレーザ光を照射することで金属を析出させ、溶液中に分散された、金属酸化物粒子、非金属酸化物粒子、又はセラミクス粒子からなる固体微粒子を、析出した金属に被覆する工程を含む、固体微粒子で被覆された金属を含む複合体の製造方法。
従来技術、競合技術の概要

近年、微粒子衝突による様々なコーティングを乾式で実施する試みがなされている。この技術は、微粒子の運動エネルギーを、衝突によって、時間的にも空間的にも局所的に熱エネルギーに変換することによって、材料が(融点以上の)高温になり、粒子結合が生じることにより、コーティングを形成するものである。
微粒子衝突によるコーティング法の例として、まず、電界を用いる方法が挙げられる。具体的には、静電微粒子衝撃コーティング(EPID)法(原料微粒子より硬度の低い基板材料を使用して、原料微粒子を基板の中に埋め込む方法)、クラスターイオンビーム法などがある。また、ガス搬送による方法(ガスデポジション(GD)法)もある。この方法によれば、室温で金属ナノ結晶膜を形成することが可能である。なお、この方法により形成した膜の膜密度は、理論密度の55~80%程度であると考えられ、バルク材料程度の電気伝導を得るには、熱による結晶成長が必要である。更に、エアロゾルデポジション(AD)法も注目されている(特許文献1)。この方法によれば、常温で金属を含めセラミックス材料を含む、緻密かつ高硬度の膜を作ることが可能であるとされている。また、微細なパターンもエッチングなしで得られることも報告されているが、作業環境等の微粉を扱うことの難しさがある。これらの方法はいずれも、大掛かりな装置を必要とするものである。

一方、レーザ光照射に用いられるレーザとして、超短パルスレーザは、主にその非常に短い時間幅を生かし、熱的効果が現れる前に物質に非常に大きなエネルギーを瞬間的に与える特性を持つと考えられる。例えば、非特許文献1には、超短パルスレーザによる加工の例が報告されており、これによれば、銅をターゲットとして10ps(ピコセカンド)のパルスレーザを照射した時、表面電子温度は数千℃にも達する一方で、熱拡散長はμm以下であると推測される。

このため、銀イオン溶液に超短パルスレーザ光を照射し、溶液中の金属イオンを還元して銀を析出させる方法が報告されている。
例えば、非特許文献2には、波長800nm、パルス幅80fs、周波数82MHz、出力14.97mWの高強度レーザビーム照射による銀イオンの還元により、銀ドットが得られたことが報告されている。
また、非特許文献3には、波長1064nmの近赤外光源と、波長532nmまたは633nmの可視光源とを用いた、比較的弱い連続発振パルスレーザを利用することにより、硝酸銀の還元反応を利用して銀ナノ粒子集合体のパターニングをガラス基板上に形成したことが報告されている。

これらレーザ光照射による材料パターニングを行うためには、被加工材料がレーザ光に対する適切な光吸収特性を有すること必須となる。例えば、Agインクなどにレーザ光を照射して金属(Ag)パターンを形成する場合には、インクがレーザ光を適度に吸収することが大前提とされている。

超短パルス光をレーザ発振波長において透過性の高いガラス内部に集光すると、集光点近傍のみを直接に加工することが出来る。非特許文献4には、フェムト秒レーザによる透明材料加工の例が報告されており、波長800nm、パルス幅120fsのパルス光をシリカガラスに照射し、ガラス内部の集光点において格子欠陥を誘起し高密度化を生み出したことが報告されている。
しかしながら、この手法では溶液中で分散している固体微粒子への集光は困難であり、また実現したとしても、照射部の材料特性が改質されるため、固体微粒子の物性もまた変質することは避けられない。
本発明者らは、超短パルスレーザによれば、超短パルス性に由来した非線形光学吸収を利用して、本来吸収を有さない材料の集積方法の検討結果、本発明に至ったものである。

産業上の利用分野

本発明は、超短パルスレーザ光の非常に短い時間幅を生かし、超短パルス性に由来した金属イオン、コロイド、錯体(以下「金属イオン等」と記す)の非線形光学吸収を利用して、超短パルスレーザ光集光位置に金属を析出させ、熱的効果が現れる前に析出させた金属に非常に大きなエネルギーを瞬間的に与えることで、析出させた金属を被覆する様に、様々な機能を有する固体微粒子集積してなる、複合体の製造方法に関する。また、本発明は、感光性を有しない透明性の高いコーティング膜形成材料、固体電解質型燃料電池電解質材料、発光ダイオードや光応答半導体材料、抵抗体膜形成材料、金属磁性体粉末材料、超電導材料、圧電セラミックス厚膜材料、誘電体膜材料、微粒子結合材料等の機能性材料の固体微粒子であっても、超短パルスレーザ光集光位置を移動させることで、パターンを形成する、製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属のイオン、コロイド、及び/または錯体を含む溶液に、超短パルスレーザ光を照射することで金属を析出させ、前記溶液中に分散された、金属酸化物粒子、非金属酸化物粒子、又はセラミクス粒子からなる固体微粒子を、前記析出した金属に被覆する工程を含むことを特徴とする、固体微粒子で被覆された金属を含む複合体の製造方法。

【請求項2】
前記金属が、銀、銅、ニッケル、鉛、錫、白金及び金からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記固体微粒子の融点が500℃~3500℃であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記固体微粒子が、0.005μm~1μmの直径を有することを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記固体微粒子の前記溶液中の濃度が、0.01質量%~3.0質量%であることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項6】
前記超短パルスレーザ光の波長が200nm~2000nmであることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項7】
前記超短パルスレーザ光のフルエンスが0.01mJ/cm2~10mJ/cm2であることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項8】
前記超短パルスレーザ光の繰返し周波数が1Hz~500MHzであることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項9】
前記溶液に基板を浸漬させる工程、及び
前記基板の表面に沿って前記超短パルスレーザ光のビームスポットを移動させる工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項10】
前記溶液に基板を浸漬させる工程、及び
前記基板の表面から、前記基板から離れた前記溶液中の所定の位置に前記超短パルスレーザ光のビームスポットを移動させる工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項11】
固体微粒子で被覆された金属を含む複合体であって、
前記金属は、溶液中に金属のイオン、コロイド、及び/または錯体として存在し、該溶液に超短パルスレーザ光を照射することで析出しうるものであり、
前記固体微粒子は、金属酸化物粒子、非金属酸化物粒子、又はセラミクス粒子であり、
前記金属がコアを形成し、該コアがその内側に空洞を有する
ことを特徴とする、前記複合体。

【請求項12】
前記金属が、銀、銅、ニッケル、鉛、錫、白金及び金からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項11に記載の複合体。

【請求項13】
前記固体微粒子の融点が500℃~3500℃であることを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の複合体。

【請求項14】
前記固体微粒子が、0.005μm~1μmの直径を有することを特徴とする、請求項11~請求項13のいずれか1項に記載の複合体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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