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特発性側弯症マーカー 新技術説明会

国内特許コード P210017540
整理番号 (H29-S16)
掲載日 2021年5月7日
出願番号 特願2020-501096
出願日 平成31年2月26日(2019.2.26)
国際出願番号 JP2019007195
国際公開番号 WO2019164007
国際出願日 平成31年2月26日(2019.2.26)
国際公開日 令和元年8月29日(2019.8.29)
優先権データ
  • 特願2018-032144 (2018.2.26) JP
発明者
  • 木村 友厚
  • 関 庄二
  • 牧野 紘士
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 特発性側弯症マーカー 新技術説明会
発明の概要 血液、尿、唾液及び脊髄液のような生体液検査で、特発性側弯症の発症の正確な早期発見、迅速で信頼性のある病勢予測ができ診断や治療のマーカーとなる特発性側弯症マーカーを提供する。
特発性側弯症マーカーは、アクチン、フィブロネクチン、ビタミンD結合タンパク質、凝固第XIII A因子、フィブリノゲン、補体H因子-関連タンパク質、補体3、アディポネクチン、及びプロトロンビンから選ばれる少なくとも何れかのタンパク質からなるものであり、前記タンパク質の濃度及び/又は活性量によって、特発性側弯症の診断及び/又は治療のマーカーである。
従来技術、競合技術の概要

側弯症は、脊柱が側方へ時にはねじれを伴いながら曲がる疾患である。中でも構造性又は非構造性の側弯症には、先天性脊椎奇形や外傷性側弯症等の他、ほぼ大半を占め原因不明の思春期特発性側弯症(Aadolescent Idiopathic Scoliosis:AIS。以下、単に特発性側弯症、又はAISともいう)がある。

この特発性側弯症は、先天性脊椎奇形と異なり、思春期での骨成長加速期において顕著な脊柱変形であり、脊柱の三次元湾曲によって、特徴付けられるものである。特発性側弯症は、人種に拘らず、比較的ありふれた疾病であり、対象年齢人口の約0.5~4%に認められる。

特発性側弯症の進行は、脊柱の湾曲の悪化に加え、呼吸性機能障害や背痛を伴う。単純X線撮像による脊柱のカーブの大きさにより特発性側弯症の重症度を示す指標となるコブ角(Cobb Angle)が20度を超える中等度の患者には、湾曲患部での運動が可能な整形外科的矯正装具を用いた、装具治療が行われる。

矯正装具として、例えば、特許文献1に、着用者の胴体に沿う胴部であって胴部の第1の側の第1の肩部と胴部の第2の側の第2の肩部とを含む胴部と、第1の肩部に隣接し胴部の第1の側に取り付けられた着用者の第1の肩を包むための腕部と、着用者の第1の肩に圧縮力を加える補強部であって胴部の前部または後部に位置する第1の端部から第1の肩部を越えて胴部の第1の側の脇の下部分の下側まで下がり胴部の前部または後部を下方向に斜めに横切って胴部の第2の側の腰椎分に位置する第2の端部まで延在し胴部に取り付けられる補強部とを備えた矯正装置が、開示されている。

このような整形外科的矯正装具では、締め付けられているので、身体的や心理的に装着が耐え難いという問題が、起こる。

この特発性側弯症がさらに進行すると、上体が明らかに大きく湾曲しているという外見上の問題、胸郭形成不全、腰痛などの様々な合併症の問題を引き起こす。コブ角が増大する従い、呼吸機能を示す肺活量と1秒率とが下がる。コブ角が100度以上の特発性側弯症では肺性心、右心不全で死亡するリスクが高まることが知られている。そこで、コブ角40度を超える重度の患者には、脊椎を金属フックやワイヤで矯正する脊椎固定手術などの高度な手術治療が、度々施される。

このような固定手術として、例えば、特許文献2に、インプラントモジュールを有する脊柱調整システムであって、インプラントモジュールが、第1の椎骨に第1のインプラントモジュールを係合させるための手段と;第1の力適用手段と;を有する第1のインプラントモジュールであり、第1の力適用手段が、第1の椎骨の上位の第2の椎骨に係合した第2のインプラントモジュールに係合するよう構成されており;第1の力適用手段は、第1の椎骨の下位の第3の椎骨に係合した第3のインプラントモジュールに係合するよう構成されており;第1のインプラントモジュールが、第1の力適用手段によって第1の椎骨に加えられる力を調整する手段を有する脊柱調整システムが、開示されている。

度重なる脊椎固定手術で、合併症発生率が好転するかもしれないが、瘢痕による美容上の問題や、神経障害や血管損傷や深刻な傷口感染のような様々な別な重篤な合併症の問題が起こり得る。

このような特発性側弯症は、早期に治療を開始すれば、ある程度、進行を止めたり遅らせたりすることができる。特発性側弯症が悪化した場合、今のところ装具治療及び固定手術治療しかなく、根本的な治療薬がない。従って、特発性側弯症には、できる限り早期発見に努め進行を遅らせる努力が必要である。

これまで特発性側弯症の早期発見及び病勢の判断・予測は、脊柱の外観観察、前屈テストのような一次的な理学検査、及び単純X線撮影等の二次的な画像検査しか存在していなかった。また、学校検診では、脊柱の外観観察や前屈テストで特発性側弯症の有無の判定を行っているが偽陽性率が多く、また思春期に急速に発症及び進行するため偽陰性率も多く、特発性側弯症発症の発見がしばしば遅れることがある。しかも、姿勢因子の影響により特発性側弯症の診断がつかなかったり、脊柱の湾曲が小さ過ぎて特発性側弯症の有無の診断に難渋し、見逃すことが多かったりしていた。

病勢予測として、例えば、特許文献3に、特発性側弯症の最終的なコブ角予測値を生成するためのコンピューター実施方法であって、患者固有の3Dの形態学的脊椎パラメーター、選択したカーブタイプ、及び選択した骨格成熟度を受け取ることと、3Dの形態学的脊椎パラメーター、カーブタイプ、及び骨格成熟度に基づく予測モデルに対して、患者固有の3Dの形態学的脊椎パラメーター、選択したカーブタイプ、及び選択した骨格成熟度を適用することと、特発性側弯症の進行曲線をモデリングすることによって、最終的なコブ角予測値を生成することとを、含む方法が、開示されている。このような方法は、特発性側弯症がある程度進行しないと、予測できない。

このように、さらに特発性側弯症の早期診断ができても、その患者が急激に悪化するか悪化が緩やかであるかの正確な予測が困難である。

他の疾患では一般的に患者の血液や尿のサンプルから疾患の原因因子や疾病マーカーの定量により診断されているが、特発性側弯症について発症機序が不明であり近年になって漸く骨代謝変化が関与しているらしいと分かりつつある状況であり、これまで原因因子や病勢マーカーで診断されたことは、なかった。

そこで、脊柱の外観観察・前屈テストや単純X線撮像の画像検査のみならず、血液等の生体液検査で、特発性側弯症の発症の正確な早期発見、早期に治療を開始するための重症度や病勢進行についての迅速で信頼性のある病勢予測、作用機序の特定をすることができる、特発性側弯症マーカーが、求められていた。また、特発性側弯症の診断薬や治療薬の有効性指標となる特発性側弯症用薬剤の評価マーカー、及びその治療のための治療標的因子が、求められていた。

産業上の利用分野

本発明は、思春期特発性側弯症の診断や治療に用いることができる特発性側弯症マーカーに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
アクチン、フィブロネクチン、ビタミンD結合タンパク質、凝固第XIII A因子、フィブリノゲン、補体H因子-関連タンパク質、補体3、アディポネクチン、及びプロトロンビンから選ばれる少なくとも何れかのタンパク質からなることを特徴とする特発性側弯症マーカー。

【請求項2】
前記タンパク質の濃度及び/又は活性量によって、前記特発性側弯症の診断及び/又は治療のマーカーとなることを特徴とする請求項1に記載の特発性側弯症マーカー。

【請求項3】
血液、尿、唾液及び脊髄液から選ばれる生体液中で、前記アクチン、前記フィブロネクチン、前記ビタミンD結合タンパク質、前記凝固第XIII A因子、前記フィブリノゲン、及び/又は前記補体H因子-関連タンパク質の濃度及び/又は活性度が増加することを活性指標とし、前記補体3、前記アディポネクチン、及び/又は前記プロトロンビンの濃度及び/又は活性度が減少乃至無となることを活性指標とすることを特徴とする請求項1~2の何れかに記載の特発性側弯症マーカー。

【請求項4】
前記特発性側弯症における、発症の有無、レンケ分類の型、作用機序、重症度、病勢進行、治療介入、及び/又は創薬に対する症状指標となることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の特発性側弯症マーカー。

【請求項5】
前記アクチンがサイトプラスミック1であり、前記フィブロネクチンが血漿フィブロネクチンであり、前記ビタミンD結合タンパク質がトランスカルシフェリンであり、前記凝固第XIII A因子が凝固第XIII A因子鎖を有するものであり、前記フィブリノゲンがフィブリノゲンアルファ鎖を有するものであり、前記補体H因子-関連タンパク質が補体H因子関連タンパク質1であり、前記補体3が補体第3成分:C3であり、前記アディポネクチンがアディポネクチン単量体又は多量体であり、前記プロトロンビンが第IIa因子であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の特発性側弯症マーカー。

【請求項6】
前記ビタミンD結合タンパク質からなることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の特発性側弯症マーカー。

【請求項7】
アクチン、フィブロネクチン、ビタミンD結合タンパク質、凝固第XIII A因子、フィブリノゲン、補体H因子-関連タンパク質、補体3、アディポネクチン、及びプロトロンビンから選ばれる少なくとも何れかからなり、特発性側弯症の診断薬及び/又は治療薬の有効性指標とするマーカーであることを特徴とする特発性側弯症用薬剤の評価マーカー。

【請求項8】
前記ビタミンD結合タンパク質からなることを特徴とする請求項7に記載の特発性側弯症用薬剤の評価マーカー。

【請求項9】
アクチン、フィブロネクチン、ビタミンD結合タンパク質、凝固第XIII A因子、フィブリノゲン、補体H因子-関連タンパク質、補体3、アディポネクチン、及びプロトロンビンから選ばれる少なくとも何れかからなることを特徴とする特発性側弯症の治療標的因子。

【請求項10】
ビタミンD結合タンパク質からなることを特徴とする請求項9に記載の特発性側弯症の治療標的因子。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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