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木材及び木材の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P210017545
整理番号 (170096JP01)
掲載日 2021年5月7日
出願番号 特願2020-503632
出願日 平成31年2月28日(2019.2.28)
国際出願番号 JP2019007944
国際公開番号 WO2019168127
国際出願日 平成31年2月28日(2019.2.28)
国際公開日 令和元年9月6日(2019.9.6)
優先権データ
  • 特願2018-035653 (2018.2.28) JP
発明者
  • 堀川 祥生
  • 津島 梨乃
  • 暮井 達己
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 株式会社日本触媒
発明の名称 木材及び木材の製造方法 新技術説明会
発明の概要 セルロース及びヘミセルロースから構成される構造を維持しながらリグニンを除去する。木質原材料を140℃以上170℃以下の条件下で酸とアルコールとを含有する溶液中に浸漬し、その後、木質原材料を亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸イオンを含む溶液に浸漬する。
従来技術、競合技術の概要

木材は建築材料、家具、音響材料及び紙類の原材料として広く利用されている。また、バイオエタノール生産といったバイオリファイナリーの観点からも木質バイオマスは利用されている。なかでも、バイオリファイナリーの観点で木材が利用される場合、木材の構成成分であるリグニンを除去して、セルロース及びへミセルロースを取り出す。一般にリグニン除去のための処理は前処理と呼称される。いままで細胞や壁層を破壊する様々な前処理技術が報告されてきた。

リグニン除去のための前処理法としては、水蒸気爆砕処理、酸処理及びアルカリ処理等に代表される物理化学的手法、リグニン分解酵素或いはリグニン分解微生物を利用する生物学的手法が挙げられる。また、これら以外にも現在まで、前処理方法として、例えば、物理的な粉砕、蒸煮、オゾン酸化、γ線照射等が検討されてきた。

また、酢酸、エタノール、高沸点アルコール、フェノールなどの有機溶媒を用いた高温加熱処理はソルボリシスと呼ばれ、リグニンを除去する有効な前処理法として知られている。Hallac et al. Ind Eng Chem Res,49(4),1467-1472,2010aには、ウツギの一種の木材を粉砕し、エタノールと硫酸の混合溶媒で195℃、1時間処理することにより、リグニンの重量パーセントが1桁になる条件を見出している。さらに、Hallac et al. Biotechnol Bioeng,107,795-801,2010bでは、前処理後の試料の組織観察をしたところ、細胞間層(細胞と細胞の間にある層)のリグニンが優先的に除去されていることを明らかにした。以上の結果から、Hallac et al.Ind Eng Chem Res,49(4),1467-1472,2010a及びHallac et al.Biotechnol Bioeng,107,795-801,2010bに記載された前処理法は、リグニンを除去すると同時に細胞間の単離を促進させるパルプ化の効果も高いと結論付けられている。

一方、特開2006-001270号公報には、スギ材チップをセッケン-ソーダ灰混合水に浸漬し、過酸化水素水で処理することでリグニン除去木材チップを製造することが開示されている。特開2015-080759号公報には、リグノセルロース系ノミイオマスを、エチレングリコール溶液で加熱抽出と固液分離を一段で処理し、リグニンを含む液体成分とセルロースを含む固体成分とに分離する方法が開示されている。特開2012-111849号公報には、木材チップを粉砕した木粉を脱脂処理、脱リグニン処理、脱へミセルロース処理、漂白処理した後、セルラーゼ系酵素による処理を行ない、その後、微細化処理を行うことで微細繊維状セルロースを製造する方法が開示されている。特に、脱リグニン処理としては一例として亜塩素酸ナトリウムと酢酸を用いるWise法が開示されている。なお、木材学会誌vol.50,No.3,pl32-138(2010)にも、酢酸を加えてpHを3.8-4.0とした亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて脱リグニン処理することが開示されている。

産業上の利用分野

本発明は、リグニン及びセルロースを含む木材、木質原材料を処理して得られる木材、及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リグニン含有量が3重量%未満であり、セルロース含有量が75重量%以上である、木材。

【請求項2】
前記セルロースの粘度平均重合度DPvが、300以上である、請求項1に記載の木材。

【請求項3】
ヘミセルロース含有量が0.01重量%以上15重量%以下である、請求項1または2に記載の木材。

【請求項4】
木質原材料を140℃以上170℃以下の条件下で酸とアルコールとを含有する溶液中に浸漬する第1の工程と、その後、木質原材料を亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸イオンを含む溶液に浸漬する第2の工程とを経て作製され、リグニン成分が低減された木材。

【請求項5】
上記木質原材料の形状を維持したことを特徴とする請求項4記載の木材。

【請求項6】
リグニン成分が検出限界以下に低減されたことを特徴とする請求項4または5記載の木材。

【請求項7】
白色であることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の木材。

【請求項8】
木質原材料を140℃以上170℃以下の条件下で酸とアルコールとを含有する溶液中に浸漬する第1の工程と、その後、木質原材料を亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸イオンを含む溶液に浸漬する第2の工程とを含む、リグニン成分が低減された木材の製造方法。

【請求項9】
上記アルコールは、150℃以上の沸点を有するアルコールであることを特徴とする請求項8記載の木材の製造方法。

【請求項10】
上記酸とアルコールとを含有する溶液は、硫酸とエチレングリコールとを含有する溶液または硫酸とプロピレングリコールとを含有する溶液であることを特徴とする請求項8または9記載の木材の製造方法。

【請求項11】
上記酸とアルコールとを含有する溶液は、アルコール濃度を90~99.5重量%とし、酸濃度を0.05~10重量%とすることを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の木材の製造方法。

【請求項12】
上記第1の工程では、上記木質原材料を上記溶液に浸漬させた状態で密閉し、密閉空間内を脱気することを特徴とする請求項8~11のいずれか1項に記載の木材の製造方法。

【請求項13】
上記亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸イオンを含む溶液は、亜塩素酸ナトリウム溶液または次亜塩素酸ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項8~12のいずれか1項に記載の木材の製造方法。

【請求項14】
上記亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸イオンを含む溶液は、亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸イオン濃度を0.01~10重量%とする溶液であることを特徴とする請求項8~13のいずれか1項に記載の木材の製造方法。

【請求項15】
上記第2の工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項8~14のいずれか1項に記載の木材の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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