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多孔性高分子金属錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置及びガス貯蔵装置

国内特許コード P210017670
整理番号 5171
掲載日 2021年5月21日
出願番号 特願2015-176724
公開番号 特開2017-052714
登録番号 特許第6671128号
出願日 平成27年9月8日(2015.9.8)
公開日 平成29年3月16日(2017.3.16)
登録日 令和2年3月5日(2020.3.5)
発明者
  • 上代 洋
  • 永井 徹
  • 北川 進
  • 松田 亮太郎
  • 日下 心平
出願人
  • 日本製鉄株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 多孔性高分子金属錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置及びガス貯蔵装置
発明の概要 【課題】本発明は、及びガス吸着材として利用が可能な、類似する配位子を二種類含有する多孔性高分子金属錯体を提供し、さらにこれを用いたガス分離装置及びガス貯蔵装置を提供する。
【解決手段】[Cu24]n (I)
(式中、Xは5位にカルコゲン元素を有する置換基が置換したイソフタル酸イオン又は5位にカルコゲン元素を有する置換基が置換したイソフタル酸イオンを含む複数種のイソフタル酸イオンである。nは、[Cu24]から成る構成単位が多数集合している状態を示す。)
の構造単位を有する多孔性高分子金属錯体、ならびにこれを利用したガス分離装置及びガス貯蔵装置。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置やガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭やゼオライトなどが知られている。また最近は多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。

多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から得られる結晶性固体で、種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせ及び骨格構造の多様性から、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。しかしながら、これらの従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。

酸素ガスは、燃焼、加熱等を利用する工業プロセス、たとえば製鉄、化学、あるいは漂白を利用する工業プロセス、たとえば製紙に欠くことができない産業ガスであり、広く利用されている。また医療ガスとしても重要である。

酸素の製造には、多量製造の場合には、極低温で、酸素と窒素の沸点差を利用して、空気から酸素を取り出す深冷分離技術が確立されているが、巨大施設で有り、小中規模には利用できない。小中規模の酸素製造には、ゼオライト、活性炭等を用いた、PSA(Pressure Swing Adsorption)技術が広く利用されている。しかし歴史の長い分離技術及び材料であり、より小型に、安価にと言うニーズに対応仕切れていない。(非特許文献6~8)

多孔性高分子金属錯体(PCP、Porous coordination Polymer)は、金属イオンと配位子から形成されるネットワーク構造を有する結晶性材料である。本材料は、分子レベルの細孔を多数有しており、二酸化炭素、メタン等のガス貯蔵分離材料として期待されている。一方で、本材料は、酸素分子との親和性が低く、酸素分離への適用例は限られており,性能も実用化できるレベルに到達しておらず、より優れた酸素親和性多孔性高分子金属錯体の開発が期待されているが、どのようにすれば幅広い温度域で酸素だけを選択的に吸着する多孔性高分子金属錯体を製造できるかはよくわかっていない。(非特許文献9~12)

カゴメPCPと通称される、銅イオンとイソフタル酸誘導体から合成される、独特のネットワーク構造を有する二次元積層型PCPが知られており、そのうちの何種類かはガスを吸着する事が報告されている。ガスの吸着性は、細孔の構造(形状や直径)、PCPを構成している金属イオンや配位子の種類に大きく影響を受けるため、ある特定のガスを吸着させるためにどのPCPを利用すれば良いかは一義的に決める事は困難で、手探りで材料探索が行われている。(特許文献2、非特許文献13~17)

一方、金属イオンと酸素分子の相互作用を利用した、酸素吸着性PCPの報告例もある。(非特許文献12)
これは、鉄(II)イオンと酸素分子が強い相互作用を有するという錯体化学の常識に基づいた物であるが、鉄(II)イオンは空気中で容易に酸化され、材料劣化が生じるため、実用的には難点がある。よって、鉄(II)イオンに依存しないで、たとえば配位子との相互作用で酸素吸着が行えるPCPは好ましいが、このようなPCPはほとんど知られておらず、設計指針が立っていない。

産業上の利用分野

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての多孔性高分子金属錯体の利用ならびにこれを用いたガス分離装置及びガス貯蔵装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
[Cu24]n (I)
(式中、Xは5位に、硫黄、セレン、又はテルルから選ばれるカルコゲン元素を有する置換基が置換したイソフタル酸イオン又は5位に、硫黄、セレン、又はテルルから選ばれるカルコゲン元素を有する置換基が置換したイソフタル酸イオンを含む複数種のイソフタル酸イオンである。nは、[Cu24]から成る構成単位が多数集合している状態を示す。)
の構造単位を有し、
前記カルコゲン元素が硫黄である場合は、前記置換基に含まれる官能基が、チオール、スルフィド、又はジスルフィドである多孔性高分子金属錯体。

【請求項2】
前記構造単位が、2個の銅イオンが4個の前記イソフタル酸イオンのそれぞれに由来する4個のカルボキシル基を互いに共有して配位結合しているパドルホイール構造を有しており、当該パドルホイール構造が前記イソフタル酸イオンにより連結されて三角形と六角形とから構成されるカゴメ構造を形成しており、さらに当該カゴメ構造が積層されている結晶構造を有する請求項1に記載の多孔性高分子金属錯体。

【請求項3】
前記式(I)[Cu24]n中のXの総モル数の5モル%以上が前記5位にカルコゲン元素を有する置換基が置換したイソフタル酸イオンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔性高分子金属錯体。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。

【請求項5】
請求項4に記載の吸着材を用いたガス分離装置。

【請求項6】
請求項5に記載の吸着材を用いたガス貯蔵装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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