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変性ナノセルロース及びその製造方法、並びに変性ナノセルロースを含む樹脂組成物 NEW 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P210017702
整理番号 3691
掲載日 2021年5月24日
出願番号 特願2014-503570
登録番号 特許第6175635号
出願日 平成25年3月8日(2013.3.8)
登録日 平成29年7月21日(2017.7.21)
国際出願番号 JP2013056550
国際公開番号 WO2013133436
国際出願日 平成25年3月8日(2013.3.8)
国際公開日 平成25年9月12日(2013.9.12)
優先権データ
  • 特願2012-053546 (2012.3.9) JP
  • 特願2012-053709 (2012.3.9) JP
発明者
  • 中坪 文明
  • 矢野 浩之
  • 濱田 健一
出願人
  • DIC株式会社
  • 三菱ケミカル株式会社
  • 星光PMC株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 変性ナノセルロース及びその製造方法、並びに変性ナノセルロースを含む樹脂組成物 NEW 実績あり 外国出願あり
発明の概要 ナノセルロースの表面改質又はナノセルロースへの高機能性官能基導入に適した、新規な変性ナノセルロース及びその製造方法、並びにその変性ナノセルロースを含む樹脂組成物を提供する。
ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1)で表される置換基によって置換された変性ナノセルロース、並びに前記変性ナノセルロース及び樹脂を含む樹脂組成物。
従来技術、競合技術の概要

セルロース繊維は、全ての植物の基本骨格物質であり、地球上に一兆トンを超える蓄積がある。また、セルロース繊維は、鋼鉄の1/5の軽さであるにも関わらず、鋼鉄の5倍以上の強度、ガラスの1/50の低線熱膨張係数を有する繊維であることから、樹脂等のマトリックス中にフィラーとして含有させ、機械的強度を付与させるという利用が期待されている(特許文献1)。そして、セルロース繊維が有する機械的強度を更に向上させるため、セルロース繊維を解繊処理し、セルロースナノファイバー(CNF、ミクロフィブリル化植物繊維)を製造する試みがなされている(特許文献2)。また、CNFと同様にセルロース繊維を解繊処理したものとして、セルロースナノクリスタル(CNC)が知られている。

CNFは、セルロース繊維を機械的解繊等の処理を施すことで得られる繊維であり、繊維幅4~100nm程度、繊維長5μm程度以上の繊維である。また、CNCは、セルロース繊維を酸加水分解等の化学的処理を施すことで得られる結晶であり、結晶幅10~50nm程度、結晶長500nm程度の結晶である。これらCNF及びCNCは、総称してナノセルロースと称される。ナノセルロースは、高比表面積(250~300m/g)であり、鋼鉄と比較して軽量であり且つ高強度である。ナノセルロースは、また、ガラスと比較して熱変形が小さい。この様に、高強度且つ低熱膨張であるナノセルロースは、持続型資源材料として有用な素材であり、例えば、ナノセルロースと樹脂等の高分子材料と組み合わせて高強度・低熱膨張とする複合材料、エアロゲル材料、CNCの自己組織化によるキラルネマチック液晶相を利用した光学異方性材料、ナノセルロースに機能性官能基を導入して高機能性材料の開発及び創製がなされている。

一方で、ナノセルロース(CNF及びCNC)を用いた材料開発では、ナノセルロースの素材の特長を保持しながら、適切な化学処理により、ナノセルロースの表面改質又はナノセルロースへの官能基導入が必要とされる。しかしながら、ナノセルロースを溶解することでナノセルロースの高次構造(結晶構造等)が壊れ、ナノセルロースの本来の物性が失われ得るという問題が残されている。また、従来の化学処理には、反応速度、収量、選択性等の諸条件において、未だ改善の余地がある。

また、これまで、マトリックス樹脂として、例えばエポキシ樹脂を用いた場合、フィラーとして炭素繊維やガラス繊維などが使用されている。しかしながら、炭素繊維は燃え難いためサーマルリサイクルに不向きで、且つ価格が高いという問題、ガラス繊維は比較的安価であるが、サーマルリサイクルは廃棄に問題があるという問題が残されていた。

そこで、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合、比較的安価でサーマルリサイクルに優れているという点から、フィラーとしてナノセルロースの使用が試みられている。しかしながら、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を使用した場合、CNF等のナノセルロース、エポキシ樹脂及び硬化剤間との反応性の低さから、界面での接着強度が落ちるという問題が残されていた。その結果、ナノセルロースを配合させることによる補強効果を十分に得ることができず、曲げ強さも低下する原因となっていた。

産業上の利用分野

本発明は、変性ナノセルロース及びその製造方法、並びに変性ナノセルロースを含む樹脂組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化1】
(省略)
(式中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、芳香環を含むアルキレン基又は芳香環を含むアルケニレン基を示す。Xは、アジド基、アミノ基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、
【化2】
(省略)
【化3】
(省略)
【化4】
(省略)
-O-p-トルエンスルホニル基、-O-メタンスルホニル基、又は-O-ベンゼンスルホニル基、を示す。)
で表される置換基によって置換された変性ナノセルロース。

【請求項2】
前記変性ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が前記式(1)で表される置換基によりエステル化されている程度(エステル基による置換度)が0.6以下である、請求項1に記載の変性ナノセルロース。

【請求項3】
前記ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化5】
(省略)
(式中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、芳香環を含むアルキレン基又は芳香環を含むアルケニレン基を示す。Xは、アジド基又はアミノ基を示す。)
で表される置換基によって置換された、請求項1に記載の変性ナノセルロース。

【請求項4】
前記変性ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が前記式(1)で表される置換基によりエステル化されている程度(エステル基による置換度)が0.5以下である、請求項3に記載の変性ナノセルロース。

【請求項5】
前記変性ナノセルロースがセルロースI型結晶を有し、その結晶化度が50%以上である、請求項1~4に記載の変性ナノセルロース。

【請求項6】
前記変性ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、前記式(1)で表される置換基として、樹脂と混ぜた時に樹脂と反応性が高い官能基である、請求項1~5に記載の変性ナノセルロース。

【請求項7】
ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化6】
(省略)
(式中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、芳香環を含むアルキレン基又は芳香環を含むアルケニレン基を示す。Xは、アジド基、アミノ基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、
【化7】
(省略)
【化8】
(省略)
【化9】
(省略)
-O-p-トルエンスルホニル基、-O-メタンスルホニル基、又は-O-ベンゼンスルホニル基を示す。)
で表される置換基によって置換された変性ナノセルロースの製造方法であって、
ナノセルロースを、式(2):
【化10】
(省略)
(式中、R及びXは、前記に同じである。Yは、脱離基を示す。)
によって表される化合物によって変性することを特徴とする、
変性ナノセルロースの製造方法。

【請求項8】
前記ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化11】
(省略)
(式中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、芳香環を含むアルキレン基又は芳香環を含むアルケニレン基を示す。Xは、アジド基又はアミノ基を示す。)
で表される置換基によって置換された変性ナノセルロースの製造方法であって、
ナノセルロースを、式(2):
【化12】
(省略)
(式中、R及びXは、前記に同じである。Yは、ハロゲン又は水酸基を示す。)
によって表される化合物によって変性することを特徴とする、
請求項に記載の変性ナノセルロースの製造方法。

【請求項9】
前記変性ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が前記式(1)で表される置換基によりエステル化されている程度(エステル基による置換度)が0.5以下である、請求項又はに記載の変性ナノセルロースの製造方法。

【請求項10】
前記変性ナノセルロースがセルロースI型結晶を有し、その結晶化度が50%以上である、請求項のいずれかに記載の変性ナノセルロースの製造方法。

【請求項11】
前記変性ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、前記式(1)で表される置換基として、樹脂と混ぜた時に樹脂と反応性が高い官能基である、請求項7~10に記載の変性ナノセルロースの製造方法。

【請求項12】
ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化13】
(省略)
(式中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、芳香環を含むアルキレン基又は芳香環を含むアルケニレン基を示す。Xは、アジド基又はアミノ基を示す。)
で表される置換基によって置換された変性ナノセルロース(A)、及び樹脂(B)を含み、
前記変性ナノセルロース(A)の前記Xで表される官能基が、前記樹脂(B)と反応している、樹脂組成物。

【請求項13】
前記変性ナノセルロース(A)におけるナノセルロースに相当する含有量が、前記樹脂(B)100質量部に対して、0.5~150質量部である請求項12に記載の樹脂組成物。

【請求項14】
前記変性ナノセルロース(A)を構成するセルロース中の水酸基の水素が前記式(1)で表される置換基によりエステル化されている程度(エステル基による置換度)が0.5以
下である、請求項12又は13に記載の樹脂組成物。

【請求項15】
前記変性ナノセルロース(A)がセルロースI型結晶を有し、その結晶化度が50%以上である、請求項1214のいずれかに記載の樹脂組成物。

【請求項16】
前記樹脂(B)がエポキシ樹脂である、請求項1215のいずれかに記載の樹脂組成物。

【請求項17】
請求項1216のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂成形材料。

【請求項18】
請求項17に記載の樹脂成形材料を成形してなる樹脂成形体。

【請求項19】
ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化14】
(省略)
(式中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、芳香環を含むアルキレン基又は芳香環を含むアルケニレン基を示す。Xは、アジド基又はアミノ基を示す。)
で表される置換基によって置換された変性ナノセルロース(A)、及び樹脂(B)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
(1)ナノセルロースを、式(2):
【化15】
(省略)
(式中、R及びXは、前記に同じである。Yは、ハロゲン又は水酸基を示す。)
によって表される化合物によって変性し、ナノセルロースを構成するセルロース中の水酸基の水素が、式(1):
【化16】
(省略)
(式中、R及びXは、前記に同じである。)
で表される置換基によって置換された変性ナノセルロース(A)を得る工程1、及び
(2)前記工程1によって得られた変性ナノセルロース(A)と樹脂(B)とを混合し、且つ前記変性ナノセルロース(A)のXで表される官能基と前記樹脂(B)とを反応させる工程、
を含む樹脂組成物の製造方法。

【請求項20】
前記変性ナノセルロース(A)を構成するセルロース中の水酸基の水素が前記式(1)で表される置換基によりエステル化されている程度(エステル基による置換度)が0.5以下である、請求項19に記載の樹脂組成物の製造方法。

【請求項21】
前記変性ナノセルロース(A)がセルロースI型結晶を有し、その結晶化度が50%以上である、請求項19又は20に記載の樹脂組成物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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