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生体移植用細胞シート及びその製造方法 NEW 新技術説明会

国内特許コード P210017727
整理番号 (17004-JP01)
掲載日 2021年5月26日
出願番号 特願2020-515557
出願日 平成31年4月25日(2019.4.25)
国際出願番号 JP2019017594
国際公開番号 WO2019208688
国際出願日 平成31年4月25日(2019.4.25)
国際公開日 令和元年10月31日(2019.10.31)
優先権データ
  • 特願2018-084565 (2018.4.25) JP
発明者
  • 千見寺 貴子
  • 藤宮 峯子
  • 齋藤 悠城
  • 中野 正子
  • 小成 直人
  • 大谷 美穂
出願人
  • 北海道公立大学法人札幌医科大学
発明の名称 生体移植用細胞シート及びその製造方法 NEW 新技術説明会
発明の概要 本発明は、平均細胞密度が3.0×10細胞/cm以下の間葉系幹細胞をその表面に有する生体移植用細胞シートに関する。また本発明は、ファイバーからなる3次元構造を有する細胞培養担体上に間葉系幹細胞を3.0×10細胞/cm以下の細胞数で播種する工程、及び間葉系幹細胞を培養して平均細胞密度が3.0×10細胞/cm以下の細胞シートを調製する工程を含む、生体移植用細胞シートの製造方法に関する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell、以下MSCともいう)は、多分化能及び自己複製能を有する幹細胞であり、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、筋細胞といった間葉系に属する細胞に分化するだけでなく、神経細胞や肝細胞等にも胚葉を超えて分化する能力を有する。またMSCは、自身が産生する液性因子によるパラクライン効果及び細胞接着相互作用も有することが知られている。MSCは、これらの作用に基づいて、標的組織や細胞の修復・再生能、及び抗炎症等の免疫制御能を発揮し、その結果、様々な疾患への治療効果を示すと考えられている。

MSCは、単離培養が容易かつ増殖力が旺盛で、短期間で移植可能な細胞数を確保できること、免疫拒絶のない自家移植が可能であること、倫理的問題も少ないこと、低免疫原性により前処置を要せず同種移植が現実的であること等から、理想的な細胞移植療法の材料として、多様な疾患に対する治療への応用の検討が進められている。

MSCを用いた細胞移植療法の適用が期待される疾患の一つが腎臓病、特に慢性腎臓病である。慢性腎臓病は、蛋白尿に代表される腎障害、及び糸球体濾過量を指標とした腎機能低下のいずれか又は両方が3か月以上持続している状態をいい、日本において成人の8人に1人が罹患している。慢性腎臓病の症状が進行して末期腎不全に至ると、薬剤治療の効果は見込めず、多くの患者は人工透析を余儀なくされる。人工透析は対症療法であることから、慢性腎不全に陥った患者は生涯にわたって人工透析を受け続ける必要があり、患者に与える身体的及び経済的な負担は大きい。さらに透析医療費の増大は、医療経済上、懸念すべき問題となっている。

本発明者らは、MSCを用いた細胞移植療法を確立する過程において、患者例えば糖尿病患者のMSCが異常なMSCであること、具体的には前述のような多様な能力を失った又はこれらの能力が正常なMSCと比べて低減した結果として、疾患治療効果を失った又は治療効果が正常なMSCと比べて低減したMSCであること、哺乳動物の胎児付属物からの抽出物が前記異常なMSCを賦活化して治療効果を回復させることができること、及びかかる賦活化されたMSCを用いた自家移植治療が可能となること等を見出し、哺乳動物の胎児付属物からの抽出物を有効成分として含有する異常なMSCに対する賦活化剤を発明し、特許出願した(特許文献1)。この賦活化剤は、特に、治療が必要となった段階の患者に対してもMSCの自家移植を可能とする点において、重要な意義を有する。

一方、細胞移植療法において、使用するMSCの量を減らすため、必要とされる部位にMSCを集中させることができる局所適用可能な製剤形態の検討が進められている。腎臓病に対するMSCを用いた細胞移植療法としては、MSCを含む細胞シート組成物を腎臓に適用することで腎臓病を治療するアプローチが報告されている(特許文献2)。この細胞シート組成物は刺激応答性培養基材上にMSCを播種して培養した後、剥離刺激により細胞を剥離することで調製される。

産業上の利用分野

本発明は、生体移植に用いるための細胞シート及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
平均細胞密度が3.0×10細胞/cm以下の間葉系幹細胞をその表面に有する、生体移植用細胞シート。

【請求項2】
さらに生体適合性の支持体を含む、請求項1に記載の細胞シート。

【請求項3】
支持体がファイバーからなる3次元構造を有する細胞培養担体である、請求項2に記載の細胞シート。

【請求項4】
細胞培養担体が、ナノメートル~マイクロメートル単位の平均繊維径を有するファイバーによって細胞との接触面上に形成された開口部を有する、請求項3に記載の細胞シート。

【請求項5】
開口部の平均径が500nm~1000μmである、請求項4に記載の細胞シート。

【請求項6】
支持体が、生分解性ポリマーからなるナノファイバーを含有してなる細胞培養担体である、請求項2から5のいずれか一項に記載の細胞シート。

【請求項7】
腎臓病の治療に用いるための、平均細胞密度が1.0×10細胞/cm~3.0×10細胞/cmの間葉系幹細胞をその表面に有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の細胞シート。

【請求項8】
腎臓の線維被膜下に適用するための、請求項7に記載の細胞シート。

【請求項9】
脳損傷又は神経変性疾患の治療に用いるための、平均密度が0.5×10細胞/cm~1.5×10細胞/cmの間葉系幹細胞をその表面に有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の細胞シート。

【請求項10】
脳の損傷部位、変性部位又はそれらの近傍に適用するための、請求項9に記載の細胞シート。

【請求項11】
間葉系幹細胞が骨髄又は脂肪組織由来の間葉系幹細胞である、請求項1から10のいずれか一項に記載の細胞シート。

【請求項12】
間葉系幹細胞が疾患を有する対象から分離された間葉系幹細胞である、請求項1から11のいずれか一項に記載の細胞シート。

【請求項13】
ファイバーからなる3次元構造を有する細胞培養担体上に、間葉系幹細胞を3.0×10細胞/cm以下の細胞数で播種する工程、及び
間葉系幹細胞を培養して、平均細胞密度が3.0×10細胞/cm以下の細胞シートを調製する工程
を含む、生体移植用細胞シートの製造方法。

【請求項14】
細胞培養担体が、ナノメートル~マイクロメートル単位の平均繊維径を有するファイバーによって細胞との接触面上に形成された開口部を有する、請求項13に記載の製造方法。

【請求項15】
開口部の平均径が500nm~1000μmである、請求項14に記載の製造方法。

【請求項16】
細胞培養担体が、生分解性ポリマーからなるナノファイバーを含有してなる細胞培養担体である、請求項13から15のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項17】
間葉系幹細胞が骨髄又は脂肪組織由来の間葉系幹細胞である、請求項13から16のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項18】
間葉系幹細胞が疾患を有する対象から分離された間葉系幹細胞である、請求項13から17のいずれか一項に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2020515557thum.jpg
出願権利状態 公開


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