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化合物及びその製造方法 UPDATE

国内特許コード P210017744
整理番号 R01014
掲載日 2021年5月28日
出願番号 特願2019-158713
公開番号 特開2021-038152
出願日 令和元年8月30日(2019.8.30)
公開日 令和3年3月11日(2021.3.11)
発明者
  • 綱島 亮
  • 森田 萩乃
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 化合物及びその製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】 本発明は、ヘキサメチレンテトラミンを使うことで、金属フリーかつ強誘電性のペロブスカイト型結晶構造を有する化合物又は強誘電性化合物を簡便に得ることを課題とする。
【解決手段】 ヘキサメチレンテトラミンと酸をある特定の比率で混合することにより、組成式ABXで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する化合物又は強誘電性化合物であって、Aは、前記ペロブスカイト型構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置するヘキサメチレンテトラミンの2プロトン付加体である2価の陽イオンであり、Bは、アンモニウムイオンであり、Xは、前記ペロブスカイト型構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分であって、ハロゲン化物イオンである化合物又は強誘電性化合物を得た。
【選択図】図8(b)
従来技術、競合技術の概要

自発分極を持つ固体は、物質に加える圧力に比例した電流が流れる圧電性や、固体中の温度差に応じて分極(表面電荷)が発生する焦電性を示す。一方、この自発分極を外部電場により反転できる物質が強誘電体であり、電場によるイオン変位が原理になる。自発分極の有無は、陽イオンと陰イオンの重心のズレから予測できるが、外部電場で反転できるかについての予測は困難である。このため強誘電体の開発には、自発分極を持つ構造を加熱しながら、イオンの熱振動を評価しつつ、外部電場応答を調査することで発見されてきた。

ペロブスカイト型構造は、一般式ABXで表され、A、Bはそれぞれ金属陽イオン、Xは酸素やハロゲンの陰イオンが占める。基本となる構造は立方晶系の単位格子を持ち、格子の各頂点に金属イオンA、体心に金属イオンB、そして金属イオンBを中心とした八面体の頂点にXが位置し、各イオンが変位することによって、立方晶系からより対称性の低い構造へと変化し、自発分極の起源となるので、強誘電体となり得る。ペロブスカイト型強誘電体のイオンの変位を外部電場で操作することによって、固体全体の自発分極の向きが制御される。また配位構造の歪は、外部電場によって制御しやすい利点がある。こうした特性を持つペロブスカイト型構造を持つ化合物は強誘電体の材料によく用いられてきた。

従来、ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体の材料となる化合物として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)の重金属を含む無機系の化合物が用いられてきた(特許文献1~3)。
金属陽イオンAだけを有機カチオンなどの非金属な分子イオンに置き換えた有機無機複合ペロブスカイト型構造もよく知られている。用いられる分子イオンには、メチルアンモニウムを始めとした有機アンモニウム系化合物が多いが、金属イオンBは依然含まれており、鉛などの有毒金属の利用は避けらないという問題があった。

N-メチル-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニウム(MDABCO)を、アンモニウムブロマイド、臭化水素酸(HBr)と反応させて、AとしてN-メチル-N’-ジアザビシクロ[2.2.2]オクトニウム(MDABCOに水素イオンを一つ付加させたもの、MDABCOH2+)、Bにアンモニウムイオン(NH)が、Xに臭素物イオン(Br)がそれぞれ配置された金属を含まない有機ペロブスカイト型強誘電体が報告されている(非特許文献1)。

また、hmtaに臭化水素酸をモル比1:1で混合し、一定の組成の結晶が確認されたことが報告されている(非特許文献2)。

産業上の利用分野

本発明は、ヘキサメチレンテトラミン(以下、「hmta」ということがある。)を原料とする金属フリーのペロブスカイト型結晶構造有する化合物又は強誘電性化合物及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
組成式ABXで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する化合物において、Aは、前記ペロブスカイト型構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置するヘキサメチレンテトラミンの2プロトン付加体である2価の陽イオンであり、Bは、アンモニウムイオンであり、Xは、前記ペロブスカイト型構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分であって、ハロゲン化物イオンである化合物。

【請求項2】
ハロゲン化物イオンが、臭化物イオンである請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
化合物が強誘電性化合物である請求項1又は2に記載の化合物。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、ヘキサメチレンテトラミンとハロゲン化水素酸を、水溶液中、モル比1:1.2~1:3で混合して反応させる化合物の製造方法。

【請求項5】
ハロゲン化水素酸が、臭化水素酸である請求項4に記載の化合物の製造方法。

【請求項6】
反応温度が、10~30℃である請求項4又は5に記載の化合物の製造方法。

【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物を含有する強誘電性材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019158713thum.jpg
出願権利状態 公開
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