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チップレス・タグ及びそのタグ情報読み取り回路並びにチップレス・タグシステム

国内特許コード P210017870
整理番号 S2020-0137-N0
掲載日 2021年8月23日
出願番号 特願2020-003064
公開番号 特開2021-111150
出願日 令和2年1月10日(2020.1.10)
公開日 令和3年8月2日(2021.8.2)
発明者
  • 和田 光司
  • 小野 哲
  • 佐川 守一
  • 牧本 三夫
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 チップレス・タグ及びそのタグ情報読み取り回路並びにチップレス・タグシステム
発明の概要 【課題】共振周波数の異なる複数の伝送線路共振器を用いたマルチ共振器型のチップレス・タグにおいて、符合数の拡大と精度の高い安定した読み取りを可能にする。
【解決手段】チップレス・タグシステム100は、互いに対向し、かつ、その間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、それらの伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備える。共振周波数の異なる複数の伝送線路共振器12~12の第1の伝送線路及び第2の伝送線路が、すべての伝送線路共振器12~12で同一間隔になるように平行で同一方向に一直線に並ぶように配置されたチップレス・タグ10から、チップレス・タグ10の第1の伝送線路の間隔とほぼ等しくなるように、平行に設けられた共振器励振用の伝送線路22及びタグ情報検出用の伝送線路23を備えるタグ情報読み取り回路20によりタグ情報を読み取る。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要

バーコードは在庫管理、物流管理、入退室管理などに広く普及しており、IDタグが印刷で作成できることから極めて安価であり、読取装置もスマートフォンなどのカメラで実現でき、タグシステムとしても安価であるという特長がある。しかしながら、バーコードの情報には、秘匿性がなく、汚れで誤認識したり、複製も容易で改ざんされるリスクもある等の信頼性に乏しい面や、読み取り領域が狭く、障害物があると読み取れないという欠点も有している。

また、最近普及が拡大している半導体チップを用いたRFID(Radio Frequency Identification)は、これらの欠点を克服するもので、読み取りだけでなく書き込みも可能であるなど優れた特長を有しているが、半導体チップを用いるためにチップや基板実装でタグがコスト高になること、半導体が誤動作する高温や放射線の強い環境下では適用不可能という問題点や、アンテナなどで読取装置のサイズが大きくなり、消費電力も大きく、携帯化が困難で装置のコストも高いという課題も有している。

本発明はチップレスRFIDに関わるものであり、バーコードの機能を補完するものである。本発明のチップレスRFIDタグは、基本的に複数の共振周波数が異なる伝送線路共振器の共振周波数に情報を付与するものであり、タグの回路パターンをコーティングすることで外からは見えないようにすることが可能で、情報の秘匿性が高く、複製も困難で、改ざんに対する耐性はバーコードよりもはるかに強く、また金属以外の紙、布、プラスチックなどの障害物、遮蔽物があっても情報の読み出しが可能である。以上は、従来から知られているチップレス・タグ全般に共通する特徴であるが、従来方式のチップレス・タグは情報量(符号数)が余りとれず、読み取り精度もよくないという欠点がある。本発明では新しい進行波マルチバンドフィルタやマルチプレクサ型のタグの読み取り方式を提案し、これまでの課題となっている周波数利用効率(タグの符号数の拡大)と読み取り精度の向上を改善するものである。

チップレスRFIDに関しては下記文献に示すように、既にいろいろな技術が開示され、実用化もなされている。

非特許文献1は、チップレスRFIDタグの解説論文であり、この分野の全般的な技術が開示されている。本発明と直接関連するところは同文献Figure11に示すような多数の共振素子を用いる構成例で、基本的に1つの共振器に1ビットを対応させたマルチ共振器構成となっている。本発明と異なるところは、共振器の共振周波数の検出方式(読み取り回路方式)で同文献はノッチフィルタ構成であるのに対し,本発明はマルチバンドのバンドパス構成となることであり、本発明の方がマルチビット化に適し、精度の良い情報検出も可能となる。非特許文献2にはステップ・インピーダンス共振器(SIR:Stepped Impedance Resonator)を一個用いたマルチモード共振周波数によるチップレス・タグの符号化方式を開示しているが、本発明は、シングルモードを用いたマルチ共振器を適用するので符号化方式が基本的に異なっている。非特許文献3は最近発表されたタグ共振器の共振周波数情報読み取りにアンテナではなく近傍電磁界を利用するものであり、本発明と手法は同一となるが、共振器がSIRであるため読み取り回路の構成は全く異なったものとなる。特許文献1は、非特許文献2と技術的には同一内容でSIRによるチップレス・タグの符号化方式を開示している。特許文献2は非特許文献3の近傍電磁界によるプローブ検出の手法を開示しているが、対象としているのはSIR構成のタグであり、前述したように読み取り回路の構成は本発明と異なる。特許文献3は、タグにSIRを適用したノッチフィルタ型のマルチ共振器のタグで、タグ情報の書き込みに特徴がある。本発明においてもSIR構造の適用は可能であるが、タグの共振器構造自体に制約はなく、SIRが発明を構成する必須の要素ではない。またタグ検出は本発明においてはバンドパス構成となることも根本的に異なっている。

産業上の利用分野

本発明は、伝送線路を用いた共振器の共振周波数を変えることでコード情報を付与するチップレス・タグ及びそのタグ情報読み取り回路並びにチップレス・タグシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成されるチップレス・タグであって、
上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、
すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されていることを特徴とするチップレス・タグ。

【請求項2】
上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる両端開放1/2波長伝送線路共振器であることを特徴とする請求項1に記載のチップレス・タグ。

【請求項3】
上記伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がU字状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のチップレス・タグ。

【請求項4】
上記伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がS字状に形成されていることを特徴とする請求項2に係るチップレス・タグ。

【請求項5】
上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる1波長伝送線路共振器であることを特徴とする請求項1に記載のチップレス・タグ。

【請求項6】
上記伝送線路共振器は、共振器を構成する伝送線路の特性インピーダンスが異なるように設定したステップ・インピーダンス共振器であることを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載のチップレス・タグ。

【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に係るチップレス・タグのタグ情報読み取り回路であって、
誘電体基板上に、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路との間隔にほぼ等しくなるように配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、それに平行して一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有することを特徴とするタグ情報読み取り回路。

【請求項8】
上記検出用伝送線路として、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路の線路長にほぼ等しい線路をすべての伝送線路共振器に対応して配置するとともに,その線路の一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路を接続し、その先端に検出端子を設けたことを特徴とする請求項7に係るタグ情報読み取り回路。

【請求項9】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に係るチップレス・タグのタグ情報読み取り回路であって、
誘電体基板上に、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路とが平行に設けられるとともに、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有し、
上記チップレス・タグの各伝送線路共振器とともに多段構成のフィルタを形成してタグ情報検出を行うことを特徴とするタグ情報読み取り回路。

【請求項10】
上記検出用伝送線路として、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路の線路長にほぼ等しい線路をすべての伝送線路共振器に対応して配置するとともに、その線路の一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路を接続し、その先端に検出端子を設けたことを特徴とする請求項9に係るタグ情報読み取り回路。

【請求項11】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に係るチップレス・タグと、請求項7乃至請求項10何れか1項に係るタグ情報読み取り回路とを備え、
上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とするチップレス・タグシステム。

【請求項12】
誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成されるチップレス・タグと、
誘電体基板上に、上記チップレス・タグの伝送線路共振器を構成している各伝送線路のそれぞれ2つの領域と対向可能な間隔をもって配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された励振用伝送線路と、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた接地導体パターンを有するタグ情報読み取り回路と
を備え、
上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とするチップレス・タグシステム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開


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