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融合タンパク質、核酸、細胞及び動物の製造方法

国内特許コード P210017872
整理番号 (S2018-0543-N0)
掲載日 2021年8月23日
出願番号 特願2020-521276
出願日 令和元年5月22日(2019.5.22)
国際出願番号 JP2019020244
国際公開番号 WO2019225638
国際出願日 令和元年5月22日(2019.5.22)
国際公開日 令和元年11月28日(2019.11.28)
優先権データ
  • 特願2018-101060 (2018.5.25) JP
発明者
  • 水野 聖哉
  • 杉山 文博
  • 高橋 智
  • 水野 沙織
出願人
  • 国立大学法人筑波大学
発明の名称 融合タンパク質、核酸、細胞及び動物の製造方法
発明の概要 Cas9タンパク質と、前記Cas9タンパク質を修飾する修飾ペプチドとを含む融合タンパク質であって、前記修飾ペプチドは、配列番号29に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号29に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ前記Cas9タンパク質との融合タンパク質を形成することにより前記Cas9タンパク質を核に局在させる活性を有するペプチド、を含む、融合タンパク質。
従来技術、競合技術の概要

特定の遺伝子だけを無効化したノックアウト(以下、「KO」という場合がある。)マウスや特定の遺伝子座に外来性の遺伝子を導入したノックイン(以下、「KI」という場合がある。)マウスは、遺伝子の機能を生体内で直接的に評価することができるため、多くの医学・生命科学研究で使用されている。

従来、KOマウスやKIマウスは、胚性幹(Embryonic Stem、以下、「ES」という場合がある。)細胞を用いた遺伝子ターゲティング法により作製されてきた。しかしながら、その作製には多額の費用と年単位の時間がかかる点が問題であった。この問題を解決したのが、ゲノム編集技術である。

ゲノム編集では、特定のDNA配列だけを認識し、その部位だけを切断する人工制限酵素を細胞に導入することで、標的遺伝子をKOすることができる。また、導入したい外来性遺伝子を切断部位の近傍配列で挟み込んだドナーDNAを、人工制限酵素と同時に細胞に導入することで、その標的遺伝子座に外来性遺伝子をKIすることも可能である。

ゲノム編集に利用できる人工制限酵素として、現時点で最も有力なものがClustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats-CRISPR Associated Protein 9(以下「CRISPR-Cas9」という場合がある。)システムである。

CRISPR-Cas9の中でも、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes、以下、「Sp」という場合がある。)に由来するCRISPR-Cas9(以下、「SpCas9」という場合がある。)が単純かつ効率的にDNAを切断する能力を持つために、多くの研究で利用されている。

Sp-CRISPR-Cas9システムは、主に、標的配列を認識する機能を持つsingle guide RNA(以下、「sgRNA」という場合がある。)と、その標的配列を切断する機能を主に持つCas9タンパク質からなるRNA-タンパク複合体である。これらのsgRNAとCas9タンパク質を同時にマウス受精卵に導入することにより、KOマウスを得ることができる。

また、異なる2つのsgRNAを用いて、標的遺伝子領域の上流及び下流を同時に切断することで、当該領域を染色体から切除すること(切除型KO)ができる。この過程では、エラーを起こしやすい非相同末端結合(non-homologous end-joining、以下、「NHEJ」という場合がある。)が利用される。この方法により、従来の遺伝子ターゲティング法で困難であった、数百万塩基対を切除することも可能となった。

また、sgRNAとCas9タンパク質とドナーDNAを同時に受精卵に導入することで、切断部位がドナーDNAを鋳型とした相同組換え修復(Homology-directed Repair、以下「HDR」という場合がある。)により修復され、KIマウスを得ることができる。

従来の研究から、HDR活性はG期では認められず、S期で急激に上昇し、G/M期で減少することが明らかにされている。また、NHEJ活性は、細胞周期全体で認められることが明らかにされている。そこで、Cas9タンパク質の存在を細胞周期特異的に制御し、NHEJにより目的外の挿入又は欠失変異(Indel)が導入されるのを抑制する検討がなされている。

例えば、ヒトGemininタンパク質はG期に分解されることが知られている。また、ヒトCdt1タンパク質はS/G期に分解されることが知られている。そして、非特許文献1には、Cas9にヒトGemininタンパク質の一部を連結した融合タンパク質(以下、「SpCas9-hGem」という場合がある。)、及び、Cas9にヒトCdt1タンパク質の一部を連結した融合タンパク質(以下、「SpCas9-hCdt1」という場合がある。)を作製したことが記載されている。

非特許文献1にはまた、SpCas9-hGemはG期に分解され、SpCas9-hCdt1はS/G期に分解されたことが記載されている(非特許文献1、Fig.1C等)。

非特許文献1にはまた、DNMT3B遺伝子座における、通常のSpCas9によるKI効率は17.1%であり、SpCas9-hGemによるKI効率は16.5%であり、SpCas9-hCdt1によるKI効率は9.9%であったことが記載されている(非特許文献1、Fig.2C等)。

産業上の利用分野

本発明は、融合タンパク質、核酸、細胞及び動物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Cas9タンパク質と、前記Cas9タンパク質を修飾する修飾ペプチドとを含む融合タンパク質であって、
前記修飾ペプチドは、配列番号29に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号29に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ前記Cas9タンパク質との融合タンパク質を形成することにより前記Cas9タンパク質を核に局在させる活性を有するペプチド、を含む、
融合タンパク質。

【請求項2】
前記修飾ペプチドは、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ前記Cas9タンパク質との融合タンパク質を形成することにより前記Cas9タンパク質を核に局在させる活性を有するペプチド、を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。

【請求項3】
前記修飾ペプチドが、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ前記Cas9タンパク質との融合タンパク質を形成することにより前記Cas9タンパク質をG期に分解させる活性を有するペプチド、を更に含む、請求項1又は2に記載の融合タンパク質。

【請求項4】
前記修飾ペプチドが、前記Cas9タンパク質のN末端、C末端又はN末端若しくはC末端以外の部位に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする核酸。

【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の融合タンパク質を細胞中のゲノムDNAに接触させることを含む、ゲノムDNAが編集された細胞の製造方法。

【請求項7】
前記細胞が受精卵である、請求項6に記載の製造方法。

【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の融合タンパク質を受精卵中のゲノムDNAに接触させ、ゲノムDNAが編集された受精卵を得ることと、
前記ゲノムDNAが編集された受精卵を個体に成長させ、ゲノムDNAが編集された動物を得ることと、
を含む、ゲノムDNAが編集された動物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2020521276thum.jpg
出願権利状態 公開
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