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表面形状計測装置および表面形状計測方法

国内特許コード P210017898
整理番号 (S2018-0962-N0)
掲載日 2021年9月27日
出願番号 特願2020-539599
出願日 令和元年8月29日(2019.8.29)
国際出願番号 JP2019033990
国際公開番号 WO2020045589
国際出願日 令和元年8月29日(2019.8.29)
国際公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
優先権データ
  • 特願2018-160900 (2018.8.29) JP
発明者
  • 佐藤 邦弘
出願人
  • 兵庫県公立大学法人
発明の名称 表面形状計測装置および表面形状計測方法
発明の概要 本発明は、物質的な参照平面を必要とせず、機械的な調整機構によらずに測定精度を向上できる表面形状計測装置および表面形状計測方法を提供する。仮想平面VPに対し、照明光集光点Pと参照光集光点Pとが互いに鏡像配置とされ、球面波照明光Qの反射光である物体光Oとインライン球面波参照光Lの各データがホログラムに記録される。仮想平面VPにおいて、計測用の再生物体光ホログラムhが生成され、参照光集光点Pから放たれる球面波光を表す球面波光ホログラムsが解析的に生成される。再生物体光ホログラムhを球面波光ホログラムsで除算して得られる位相分布から物体4の被測定面における高さ分布が得られる。被測定面からの反射光の位相データを取得し、解析的に得られる球面波の平面切断面における位相分布と比較して、ガラス基板などの参照平面を必要とせず、高精度の表面形状計測が実現される。
従来技術、競合技術の概要

従来から、反射光や透過光などの光波を解析する技術に、光の強度と位相のデータを併せてホログラムと呼ばれる写真乾板などの記録媒体に記録して解析するホログラフィがある。近年のホログラフィは、受光素子と半導体メモリなどを用いて、光波の強度と位相をデジタルデータとして取得したり、計算機上でホログラムを生成したりして、解析することが行われている。このようなホログラフィは、デジタルホログラフィと呼ばれる。

デジタルホログラフィにおいて、ホログラムデータの取得や処理の高速化と高精度化を達成するための種々の技術が提案され、撮像に応用されている。例えば、ワンショットで記録したホログラムデータに空間周波数フィルタリングと空間ヘテロダイン変調とを適用して、物体像再生用の複素振幅インラインホログラムを高速かつ正確に生成するデジタルホログラフィが知られている(例えば、特許文献1参照)。

従来の光学顕微鏡の問題を解決するため、ホログラフィを用いることにより、結像レンズを用いることなく大開口数の物体光を正確にワンショット記録する方法、および記録された物体光を平面波展開によって高分解能3次元像を正確に計算機再生する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、無歪な高分解能3次元動画像を記録し再生できるレンズレス3次元顕微鏡が実現される。このような顕微鏡は、結像レンズを用いないので、従来の光学顕微鏡が有する、媒質や結像レンズの影響を受ける問題を解決できる。

また、培養液中細胞や生体組織の内部構造を高分解能で計測するために、反射型レンズレスホログラフィック顕微鏡と波長掃引レーザ光を用いる高分解能断層撮像法が知られている(例えば、特許文献3参照)。

さらに、入射方向の異なる照明光を照射した物体から放射される大開口数の物体光を、照明光の入射方向毎にホログラムデータとして記録し、これらの複数の大開口数ホログラムを一つのホログラムに合成して、1を超える合成開口数のもとで物体光を再生する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。この方法によれば、通常の回折限界を超える分解能を持つ超高分解能3次元顕微鏡が実現できる。

加えて、ワンショットディジタルホログラフィによる光波の正確な記録と記録光波の平面波展開を用いるホログラフィックエリプソメトリ装置が知られている(例えば、特許文献5参照)。このエリプソメトリ装置によれば、非平行の照明光が含む多数の入射角を有する入射光による反射光のデータを一括してホログラムに記録できるので、入射角に対応する多数の波数ベクトル毎にエリプソメトリ角Ψ,Δを求めることができ、測定効率が向上できる。

また、撮像素子、2つの結像用レンズ、キューブ型ビームスプリッタ、フィゾー参照平面を有する素子および被測定物を直列に配置し、参照平面と被測定部からの反射光の干渉縞を記録して形状計測を行う干渉測定装置が知られている(例えば、特許文献6参照)。

産業上の利用分野

本発明は、デジタルホログラフィにおける表面形状計測装置および表面形状計測方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ホログラフィを用いる表面形状計測装置において、
被測定面を照明する球面波照明光(Q)の反射光である物体光(O)と前記物体光(O)に対してインラインとなるインライン球面波参照光(L)の2つの光のデータをそれぞれ物体光オフアクシスホログラム(IOR)および参照光オフアクシスホログラム(ILR)としてイメージセンサを用いて取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得されたデータから前記被測定面の画像を再生して表面形状のデータを取得する画像再生部と、を備え、
前記データ取得部は、
前記被測定面に接するように仮想的に設定した仮想平面(VP)に対して前記球面波照明光(Q)の集光点である照明光集光点(P)と前記インライン球面波参照光(L)の集光点である参照光集光点(P)とが互いに鏡像配置となり、前記インライン球面波参照光(L)が前記仮想平面(VP)を斜めに通過して前記イメージセンサに入射するように構成された光学系を備え、
前記画像再生部は、
前記2種類のオフアクシスホログラム(IOR,ILR)のデータ、前記参照光集光点(P)の位置情報、および前記参照光集光点(P)から放たれる光が球面波であることを用いる計算処理によって、前記物体光(O)の光波を表す物体光ホログラム(g)を生成する物体光ホログラム生成部と、
前記物体光ホログラム(g)を光伝播変換および回転変換して、前記仮想平面(VP)における再生物体光ホログラム(h)を生成する再生物体光ホログラム生成部と、
計算処理によって、前記物体光ホログラム(g)に光伝搬変換を行って前記物体光(O)が集光する位置を検出してその位置を、前記参照光集光点(P)の位置情報を高精度化した情報を有する、形状計測用の参照点(S1)として設定する参照点検出部と、
前記参照点(S1)から放たれた球面波光の前記仮想平面(VP)におけるホログラムである球面波光ホログラム(s)を解析的に生成する解析光ホログラム生成部と、
前記再生物体光ホログラム(h)を前記球面波光ホログラム(s)で除算して計測用ホログラム(JOS=h/s)を生成し、前記計測用ホログラム(JOS)の位相分布から前記物体の被測定面における高さ分布を求める形状計測部と、を備えることを特徴とする表面形状計測装置。

【請求項2】
前記データ取得部は、前記イメージセンサの直前に配置され、前記物体光(O)または前記インライン球面波参照光(L)と、前記2種類のオフアクシスホログラム(IOR,ILR)を取得するために用いられるオフアクシス参照光(R)と、を合波して前記イメージセンサに入射させるための、キューブ型ビームスプリッタから成るビーム結合器を備え、
前記画像再生部は、前記ビーム結合器の屈折率を考慮した平面波展開法によって前記ビーム結合器を通過する光の光伝播計算を行うことにより、前記参照光集光点(P)から放たれて前記ビーム結合器を通過し、前記イメージセンサの受光面であるホログラム面に至る光波であって、前記インライン球面波参照光(L)に相当する光波を表すインライン参照光ホログラム(j)を計算処理によって生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の表面形状計測装置。

【請求項3】
前記光学系は、前記物体光(O)と前記インライン球面波参照光(L)とを集光する集光レンズと、前記集光レンズによる集光位置に配置されて通過光量を制限する瞳孔板と、前記瞳孔板に組み合わせて配置された結像レンズと、を備えて、前記物体光(O)と前記インライン球面波参照光(L)とを前記イメージセンサに結像させる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面形状計測装置。

【請求項4】
前記光学系は、前記物体光(O)と前記インライン球面波参照光(L)とを集光する凹面鏡と、前記凹面鏡による集光位置に配置されて通過光量を制限する瞳孔板と、前記瞳孔板に組み合わせて配置された結像レンズと、を備えて、前記物体光(O)と前記インライン球面波参照光(L)とを前記イメージセンサに結像させる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面形状計測装置。

【請求項5】
物体の被測定面の形状をホログラフィを用いて計測する表面形状計測方法において、
イメージセンサの光軸上にインライン球面波参照光(L)の集光点である参照光集光点(P)を配置し、前記光軸から外れた位置に球面波照明光(Q)の集光点である照明光集光点(P)を配置し、前記参照光集光点(P)と照明光集光点(P)とを結ぶ線分を垂直に2等分する平面である仮想平面(VP)を設定し、
前記被測定面が前記仮想平面(VP)に接するように前記物体を配置し、前記被測定面から反射される前記球面波照明光(Q)の反射光である物体光(O)のデータを、前記イメージセンサを用いて物体光オフアクシスホログラム(IOR)として取得し、
前記物体が配置されていない状態で、前記仮想平面(VP)を通過して前記イメージセンサに入射する前記インライン球面波参照光(L)のデータを、前記イメージセンサを用いて参照光オフアクシスホログラム(ILR)として取得し、
前記2種類のオフアクシスホログラム(IOR,ILR)のデータから、前記物体光(O)と前記インライン球面波参照光(L)の両方の情報を含む複素振幅インラインホログラム(JOL)を生成し、
前記インライン球面波参照光(L)が球面波光であることを用いる計算処理によって、前記イメージセンサの受光面であるホログラム面における前記インライン球面波参照光(L)の光波を表すインライン参照光ホログラム(j)を生成し、
前記複素振幅インラインホログラム(JOL)と前記インライン参照光ホログラム(j)とを用いて、前記物体光(O)の光波を表す物体光ホログラム(g)を生成し、
前記物体光ホログラム(g)を光伝播変換および回転変換して、前記仮想平面(VP)における再生物体光ホログラム(h)を生成し、
計算処理によって、前記物体光ホログラム(g)に光伝搬変換を行って前記物体光(O)が集光する位置を検出してその位置を、前記参照光集光点(P)の位置情報を高精度化した情報を有する、形状計測用の参照点(S1)として設定し、
前記参照点(S1)から放たれた球面波光の前記仮想平面(VP)におけるホログラムである球面波光ホログラム(s)を解析的に生成し、
前記再生物体光ホログラム(h)を前記球面波光ホログラム(s)で除算して計測用ホログラム(JOS=h/s)を生成し、前記計測用ホログラム(JOS)の位相分布から前記物体の被測定面における高さ分布を求める、ことを特徴とする表面形状計測方法。

【請求項6】
異なる波長(λ,j=1,2)の光によって、前記物体光(O)および前記インライン球面波参照光(L)のデータを前記各波長(λ,λ)毎に、前記2種類のオフアクシスホログラム(IOR,ILR,j=1,2)として取得し、
前記各波長(λ,λ)毎に、前記計測用ホログラム(JOS=h/s,j=1,2)を生成し、
前記2つの計測用ホログラム(JOS,j=1,2)の比を求めるヘテロダイン変換の結果である変調波(HW=JOS/JOS)を生成し、前記変調波(HW)に含まれる変調波長(λ=λλ/(λ-λ))および変調位相分布(θ(x’,y’)=θ-θ)を用いて、前記物体の被測定面における高さ分布を求める、ことを特徴とする請求項5に記載の表面形状計測方法。

【請求項7】
前記被測定面が前記仮想平面(VP)に接するように前記物体を配置するために試料台が用いられ、
前記試料台の調整は、
前記試料台に、参照平面を有する参照平面基板を固定して前記参照平面基板からの反射光のデータを前記物体光オフアクシスホログラム(IOR)として取得し、
前記物体光オフアクシスホログラム(IOR)と前記参照光オフアクシスホログラム(ILR)とを用いて前記複素振幅インラインホログラム(JOL)を生成し、
前記複素振幅インラインホログラム(JOL)の位相分布の変化が低減するように前記試料台の位置と傾きを変えることによって行う、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の表面形状計測方法。

【請求項8】
光伝播計算により、前記物体光ホログラム(g)を前記参照光集光点(P)の位置(z=ρ)に伝播させて成る評価ホログラム(h0)を生成し、
点光源を表すプローブ関数(fp)と前記評価ホログラム(h0)との相関関数計算により、前記評価ホログラム(h0)の面内において、前記物体光(O)が集光した位置(x1,y1,ρ)を検出して仮集光点(P1)とし、
前記評価ホログラム(h0)を光伝播計算により前記光軸方向に試験伝播させ、前記評価ホログラム(h0)の面内における前記仮集光点(P1)の位置を固定して前記相関関数計算を行い、前記光軸方向において前記物体光(O)が集光した位置(x1,y1,z1)を検出してその位置を、前記形状計測用の参照点(S1)に設定する、ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の表面形状計測方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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