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フィチン酸エステル誘導体

国内特許コード P210017910
整理番号 (S2018-0906-N0)
掲載日 2021年9月27日
出願番号 特願2020-539644
出願日 令和元年8月30日(2019.8.30)
国際出願番号 JP2019034220
国際公開番号 WO2020045653
国際出願日 令和元年8月30日(2019.8.30)
国際公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
優先権データ
  • 特願2018-161944 (2018.8.30) JP
発明者
  • 藤田 美歌子
  • 大塚 雅巳
  • 大杉 剛生
  • 立石 大
  • 村尾 直樹
  • 増永 拓弥
出願人
  • 国立大学法人熊本大学
発明の名称 フィチン酸エステル誘導体
発明の概要 本発明は、フィチン酸エステル誘導体およびその利用に関する。
本発明の以下のフィチン酸エステル誘導体は、以下の式Iの構造を有する。
【化1】
(省略)
[式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、各々独立に、H、式II
【化2】
(省略)
(式II中、-CH-は所望により1若しくは2の置換基により置換されていてもよい)、
式III
【化3】
(省略)
(式III中、-CH-C-は所望により1若しくは複数の置換基により置換されていてもよい)、
および、式IV
【化4】
(省略)
(式IV中、-CH-CH-は所望により1若しくは複数の置換基により置換されていてもよい)
からなるグループから選択される、
ただし、R-R12の全てがHである場合を除く。
従来技術、競合技術の概要

フィチン酸(myo-イノシトール-1,2,3,4,5,6リン酸、IP6)はヒト等の哺乳類の細胞内で生合成され、また種子など多くの植物組織にも存在するリンの主要な貯蔵形態である。穀物、豆類などの食物からも摂取される。その一部は吸収され、細胞にもピノサイトーシスなどにより取り込まれる。

高濃度のIP6をがん細胞に加えた場合に、細胞増殖抑制効果を示すことがよく研究され、注目されてきた。特開2003-238414は、イノシトールリン酸類(イノシトール6リン酸を含む)を有効成分する抗腫瘍剤を開示している。またIP6は、免疫力上昇、腎結石形成抑制、コレステロール低下、冠動脈疾患や糖尿病の発症リスク軽減などの多彩な活性を持つことが知られる。Vucenik l.et al.,Nutrion and Cancer,2006,55,109は、抗酸化、免疫力上昇、抗炎症、Phase I酵素およびPjase II酵素の修飾、がん遺伝子の制御、抗-血管新生作用、腫瘍転移抑制、アポトーシス誘導、細胞分化上昇、細胞増殖抑制などの多様な作用をIP6が有することを記載している。

IP6はこのように多くの有用な効果を奏するが、6個のリン酸基に由来する多くの負電荷を持つために細胞膜を通りづらく、細胞のIP6取り込み量には限界がある。またIP6は金属とキレートする性質を持ち体内のミネラルの吸収を妨げることから、大量摂取による副作用が指摘されている。

特表2009-541222には、任意の組み合せでのIP-6、その医薬的に許容可能な塩、またはその医薬的に許容可能な誘導体を含む、有効量の医薬組成物を前記哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類における電離放射線暴露の、健康への急性かつ短期的な悪影響を予防または治療する方法(請求項1)を記載している。特表2009-541222の段落0015は、『本出願の対象物であるIP-6ならびにピロリン酸および/またはイノシトールを含むその誘導体に関して、当業者は、「イノシトール6リン酸、IP-6、およびその類似体は薬物としてのテストに入っている。挑戦の1つは、細胞内への分子の通過を促進するために、保護基でリン酸塩を覆うことである。(2005年7月13日のDOE報告)」と結論付けている。IP-6ならびにピロリン酸および/またはイノシトールを含むその誘導体は、現在防護剤として効果がない場合があるという考えが示唆される。』と記載している。IP6を細胞内への分子の通過を促進するために、保護基でリン酸塩を覆うことについて言及している。しかしながら、当該文献には、具体的にどのような保護基でリン酸塩を覆うのか、仮に保護基でリン酸塩を覆った化合物が本当に細胞内への分子の追加が促進されるのか、細胞内に取り込まれた化合物が細胞内でどのような機能を有するかについて全く示唆がない。

IP6は細胞内への取り込みが悪く、取り込み量に限界がある、との問題があったにもかかわらず、当該問題を解決する具体的な方法は提供されていなかった。

産業上の利用分野

本発明は、フィチン酸エステル誘導体およびその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の式Iの化合物。
【化1】
(省略)
[式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、各々独立に、H、式II
【化2】
(省略)
(式II中、-CH-は所望により1若しくは2の置換基により置換されていてもよい)、
式III
【化3】
(省略)
(式III中、-CH-C-は所望により1若しくは複数の置換基により置換されていてもよい)、
および、式IV
【化4】
(省略)
(式IV中、-CH-CH-は所望により1若しくは複数の置換基により置換されていてもよい)
からなるグループから選択される、
ただし、R-R12の全てがHである場合を除く。

【請求項2】
式II、式IIIまたは式IVにおいて、置換若しくは未置換のC1-6アルキル若しくはアリールが、置換若しくは未置換のメチル、置換若しくは未置換のエチルおよび置換若しくは未置換のブチルからなる群から選択される、請求項1の化合物。

【請求項3】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の6個以上がHではない、請求項1または2に記載の化合物。

【請求項4】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の全てがHではない、請求項1-3のいずれか1項に記載の化合物。

【請求項5】
1-6アルキル若しくはアリールが、ハロゲン、C1-4アルキル、アミノ基、ニトロ基、フェニル基、ヒドロキシル基、チオール基、C1-4アシルおよびアリル基からなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1-4のいずれか1項に記載の化合物。

【請求項6】
式II中の-CH-、式III中の-CH-C-、および式IV中の-CH-CH-の1以上が、ハロゲン、C1-4アルキル、アミノ基、ニトロ基、フェニル基、ヒドロキシル基、チオール基、C1-4アシルおよびアリル基からなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1-5のいずれか1項に記載の化合物。

【請求項7】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の全てが、ブチリルオキチメチルまたはアセトキシメチルである、請求項1に記載の化合物。

【請求項8】
生体内で加水分解されて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の一部または全てがHになる、請求項1-7のいずれか1項に記載の化合物。

【請求項9】
請求項1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、医薬組成物。

【請求項10】
細胞増殖抑制、細胞傷害抑制、免疫力上昇、コレステロール低下、腎結石形成抑制、がん転移抑制、および繊維化抑制からなる群から選択される活性を有する、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項11】
がん、冠動脈疾患、糖尿病および結石症からなる群から選択される疾患を予防または処置するための請求項9または10に記載の医薬組成物。

【請求項12】
がんが白血病、リンパ腫、骨髄腫からなる群から選択されるがんである、請求項11に記載の医薬組成物。

【請求項13】
経口投与、経皮投与、腹腔内投与または静脈内投与される、請求項9-12のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【請求項14】
式Iの化合物が生体内で加水分解されて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の一部または全てがHになる、請求項9-13のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【請求項15】
請求項1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物の医薬組成物の製造のための使用。

【請求項16】
請求項1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、化粧用組成物。

【請求項17】
美白作用または美肌作用を有する請求項16に記載の化粧用組成物。

【請求項18】
請求項1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、研究用試薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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