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有機酸の製造方法

国内特許コード P210017913
掲載日 2021年9月28日
出願番号 特願2020-058792
公開番号 特開2021-153524
出願日 令和2年3月27日(2020.3.27)
公開日 令和3年10月7日(2021.10.7)
発明者
  • 小山内 崇
  • 飯嶋 寛子
  • 渡邊 敦子
出願人
  • 学校法人明治大学
発明の名称 有機酸の製造方法
発明の概要 【課題】藍藻を用いて高効率に、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸を製造可能な、有機酸の製造方法を提供する。
【解決手段】リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の発現が亢進されている藍藻、又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性が亢進されている藍藻、を培養物で培養して有機酸を製造させ、前記藍藻内及び/又は前記培養物中から前記有機酸を採取することを含み、前記有機酸が、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、有機酸の製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

近年、地球温暖化や資源枯渇に関する懸念から、再生可能な資源であるバイオマスへの期待が高まっている。なかでも石油の代替資源の開発は重要な課題である。
有機酸は、利用価値の高い化合物である。なかでもコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等の炭素数4のC4ジカルボン酸は、高分子化合物の合成原料である単量体として、大変有用である。例えば、コハク酸は、汎用の化学・工業原料であり、ポリブチレンサクシネート(PBS)の原料や、化学品中間体、溶剤、可塑剤として広く利用されている。例えば、コハク酸を原料として製造されるポリブチレンサクシネートは、農業用マルチフィルム、包装材、農場・土木資材等に使用され、2018年の世界市場規模は1億3170万ドルで、2023年までに1億8280万ドルに成長すると予想されている。2018年のPBSの世界生産能力は約97000tにのぼる。
現在、コハク酸は、主に石油を原料として製造されているが、石油の代わりにバイオマスを利用しようとする流れがある。例えば、非特許文献1には、従属栄養微生物を用いてコハク酸を生産する技術が開示されている。いくつかの企業ではバクテリア又は酵母の発酵により、コハク酸の生産を開始している。

産業上の利用分野

本発明は、藍藻を用いた有機酸の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の発現が亢進されている藍藻、又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性が亢進されている藍藻、を培養物で培養して有機酸を製造させ、前記藍藻内及び/又は前記培養物中から前記有機酸を採取することを含み、
前記有機酸が、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、有機酸の製造方法。

【請求項2】
前記藍藻が、コーディング領域及び/又は発現調節領域の配列が改変されたリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を有するものである、請求項1に記載の有機酸の製造方法。

【請求項3】
前記藍藻が、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の核酸配列と、該核酸配列と作動可能に連結されたpsbA遺伝子のプロモータの核酸配列と、を含む配列を有するものである、請求項2に記載の有機酸の製造方法。

【請求項4】
前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子が、以下の(a)~(c)からなる群から選ばれるタンパク質をコードする遺伝子である請求項2又は3に記載の有機酸の製造方法。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列との配列同一性が80%以上であるアミノ酸配列を有し、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質

【請求項5】
前記藍藻を培養物中で培養することが、前記藍藻を好気培養した後に嫌気培養することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。

【請求項6】
前記嫌気培養中に、前記藍藻により製造された前記培養物中の前記有機酸の濃度を低減させる操作を行うことを含む、請求項5に記載の有機酸の製造方法。

【請求項7】
前記藍藻の乾燥重量あたりの有機酸生産量[前記嫌気培養における前記培養物中に製造された前記有機酸重量(g)/前記嫌気培養された藍藻の乾燥重量(g)×100]の値が、以下の1)~3)のいずれか1以上の規定を満たす、請求項5又は6に記載の有機酸の製造方法:
1)前記藍藻の乾燥重量あたりのコハク酸生産量が7%以上、
2)前記藍藻の乾燥重量あたりのフマル酸生産量が5%以上、
3)前記藍藻の乾燥重量あたりのリンゴ酸生産量が6%以上。

【請求項8】
前記好気培養終了時点の培養物のOD730で特定される藍藻の濃度が、OD730=5以上である、請求項5~7のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。

【請求項9】
前記嫌気培養開始時に藍藻が非休眠状態である、請求項5~8のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。

【請求項10】
前記嫌気培養を暗条件下で行う、請求項5~9のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。

【請求項11】
前記藍藻がシネコシスティス(Synechocystis)属の藍藻である、請求項1~10のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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