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水素の製造方法

国内特許コード P210017916
整理番号 2278
掲載日 2021年9月30日
出願番号 特願2020-005878
公開番号 特開2021-113141
出願日 令和2年1月17日(2020.1.17)
公開日 令和3年8月5日(2021.8.5)
発明者
  • 西出 宏之
  • 岡 弘樹
  • ビヨーン ウィンザー ジェンセン
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 水素の製造方法
発明の概要 【課題】新規で環境適合かつ水素生成速度が極めて高い水素の製造技術を提供する。
【解決手段】チオフェン重合体層が、有機半導体としての光吸収と、水分解/水素発生の触媒能を兼ね備え作動するという、発明者らの既報をさらに改良・発展させ、導電性基板上に添加分子を共存させたチオフェン類を酸化重合することにより極めて高品質でかつ電気抵抗の低いチオフェン重合体層を得ることに成功し、画期的に高い水素の生成速度(公知の2桁以上)を達成した。本発明は、チオフェン重合体からなる光吸収および水還元触媒層に、水酸化イオン含有水の酸化触媒を組み合わせ、これを水酸化イオン含有水に浸漬し、前記光吸収水還元触媒層に光照射することを含む、水素の製造方法を提供する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

水素は、アンモニア合成、石油精製、製鉄などにおいて幅広く工業利用され、産業上きわめて重要なガスである。また、燃焼しても水しか排出しないことから、クリーンなエネルギー源や燃料電池の燃料などとして実用されている。

水素は従来は主に化石資源から製造されているが、将来的には化石燃料に依存しない、環境適合な、水素の製造法が求められる(非特許文献1)。

このような水素の製造法の例として、「無機半導体を光触媒として水分解することにより水素を製造する方法」が開発されている。特に、硫化カドミウム、バナジン酸ビスマスなど無機半導体に光照射し、それによる光吸収と触媒反応により水分解し水素を製造する研究・開発は、環境に適合した理想的な水素製造法として、環境・エネルギーの制約を突破すべく、強力に進められている。しかし、長波長 (600nm以上)の可視光への応答、半導体の対による2光子1電子機構、白金などの助触媒を半導体との界面含む組み合わせなど工夫されているが、吸収光エネルギーから水素発生反応への変換効率は3%以下に留まっている(非特許文献2、3)。また水分解から生成する水素と酸素から水素のみを分離する膜と装置設計も解決に至っていない。

これに対し、「有機半導体を光触媒として水分解することにより水素を製造する方法」も開発されている。このような研究例は、フェニルトリアジンオリゴマー、窒化炭素、有機フレームワーク(非特許文献4、5、6)などがあるが、いずれの場合も紫外光の照射下、大きな過電圧の印加や犠牲試薬の添加が不可欠であり、しかもそれらの補助条件下でも水素発生速度は10水素mmol/触媒g・時間以下の低値である。

一方、本発明者らは、永年に亘り水の光電気化学的分解と水素発生について研究を積み重ねてきており(非特許文献7、8、9)、最近チオフェン重合体層をヨウ素蒸気による独自の重合法により作製し、これを水中に浸して可視光を照射すると、0.5V程度の印加電圧(または印加なしでも反応速度は低いものの)水の分解により、水素ガスが発生してくることを学術誌に報告した(非特許文献8、9)。

産業上の利用分野

本発明は、水素の製造方法等に関する。より具体的には、本発明は、チオフェン類を添加分子と共存させて導電性基板上で酸化重合することによって得られたチオフェン重合体を、光吸収および水還元触媒層(以下、光吸収水還元触媒層と記載する。)として、水酸化イオン含有水の酸化触媒(以下、水・酸化触媒と記載する。)と組み合わせ、これを水酸化イオン含有水に浸漬し、前記光吸収水還元触媒層に光照射することを含む、水素の製造方法、前記光吸収水還元触媒層を有する光吸収水還元触媒基板の製造方法、及び光吸収水還元-水・酸化基板に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
チオフェン類を添加分子と共存させ導電性基板上で酸化重合反応させることによって得られたチオフェン重合体からなる光吸収および水還元触媒層(以下、光吸収水還元触媒層と記載する。)と、水酸化イオン含有水の酸化触媒(以下、「水・酸化触媒」と記載する。)とを組み合わせて、これらを水酸化イオン含有水に浸漬し、前記光吸収水還元触媒層に光照射することを含むことを特徴とする水素の製造方法。

【請求項2】
前記導電性基板と前記光吸収水還元触媒層との間に、ホール輸送薄層が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の水素の製造方法。

【請求項3】
前記導電性基板に対して、前記光吸収水還元触媒層を片面上に、前記水・酸化触媒を他面上に形成した光吸収水還元-水酸化基板が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の水素の製造方法。

【請求項4】
チオフェン類を添加分子と共存させて、酸化重合反応により導電性基板上にチオフェン重合体からなる光吸収水還元触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする光吸収水還元触媒基板の作製方法。

【請求項5】
前記光吸収水還元触媒層を形成する工程に続いて、さらに前記添加分子を洗浄・除去する工程を含み、
前記添加分子は、前記チオフェン重合体に取り込まれず、除去されることを特徴とする請求項4に記載の光吸収水還元触媒基板の作製方法。

【請求項6】
前記酸化重合反応が、ヨウ素蒸気による酸化重合反応であることを特徴とする請求項4または5に記載の光吸収水還元触媒基板の作製方法。

【請求項7】
さらに前記光吸収水還元触媒層を形成する工程の前に、前記導電性基板上にホール輸送薄層を設ける工程を含み、
前記導電性基板と前記光吸収水還元触媒層との間に、ホール輸送薄層が設けられることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の光吸収水還元触媒基板の作製方法。

【請求項8】
導電性基板に対して、光吸収水還元触媒層を片面上に、水・酸化触媒層を他面上に構成される水素の製造のための光吸収水還元-水・酸化基板。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2020005878thum.jpg
出願権利状態 公開
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