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チロシンの修飾方法 NEW

国内特許コード P210017925
整理番号 14T104
掲載日 2021年10月7日
出願番号 特願2014-246487
公開番号 特開2016-108266
登録番号 特許第6598286号
出願日 平成26年12月5日(2014.12.5)
公開日 平成28年6月20日(2016.6.20)
登録日 令和元年10月11日(2019.10.11)
発明者
  • 佐藤 伸一
  • 中村 浩之
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 チロシンの修飾方法 NEW
発明の概要 【課題】 チロシン残基への選択性の高いタンパク質分子の修飾手段を提供する。
【解決手段】 チロシン残基を含むタンパク質とルミノール誘導体を、酸化剤及び金属触媒存在下で反応させ、修飾チロシン残基を含むタンパク質を生成させる工程を含むことを特徴とするチロシンの修飾方法。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要 タンパク質分子の修飾は、生命科学の研究において非常に有用な手法である。例えば、タンパク質を標識物質で修飾することにより、そのタンパク質と結合する分子や結合サイトの同定などが可能になる。また、抗体に抗癌剤などを付加し、抗体薬物複合体を作製する場合やペプチドなどにポリエチレングリコール(PEG)を付加し、血中安定性の向上を図る場合にも、タンパク質分子の修飾は必須の手法である。

従来、タンパク質分子の修飾は、求電子的試薬によって求核性のアミノ酸残基(例えば、リジン残基、システイン残基など)を標的として行われてきた。しかし、システイン残基は存在比が低く、その上ほとんどがタンパク質分子内でジスルフィド結合を形成しているため、還元しなければ修飾することができない。一方、リジン残基は存在比が高く、シ
ステイン残基のような問題はないが、抗体医薬などを作製する場合には、存在比が高すぎるため、部位特異的な修飾が困難であるという問題を有している。また、リジン残基の修飾は塩基性条件下でなければ進行しないという問題もあった。

最近、Barbasらは、4-フェニル-1,2,4-トリアゾリン-3,5-ジオン(PTAD)を用いて、リジン残基やシステイン残基ではなく、チロシン残基を標的とするタンパク質分子の修飾法について報告している(非特許文献1、非特許文献2)。チロシン残基はタンパク質の表面にあることが多く、存在比もリジン残基ほど多くないので、この方法は、抗体の修飾に適していると考えられる。また、この方法は、リジン残基の修飾法とは異なり、中性条件下でも修飾が可能であるという利点も有する。
産業上の利用分野 本発明は、ルミノール誘導体を用いたチロシンの修飾方法、及びルミノール誘導体を含有するチロシン修飾剤に関する。本発明の修飾方法及び修飾剤は、高効率かつ高選択的にチロシンを修飾することができる。
特許請求の範囲 【請求項1】
下記の一般式(I)
【化1】
(省略)
〔式中、R1は水素原子、アミノ酸残基、ペプチド残基、又はタンパク質残基を表し、R2はヒドロキシ基、アミノ酸残基、ペプチド残基、又はタンパク質残基を表す。〕
で表される化合物と下記の一般式(II)
【化2】
(省略)
〔式中、Aはベンゼン環を表し、Lは水素原子を表すか、又はベンゼン環上の任意の位置に存在する末端にクリック反応に用いられる官能基を有するリンカー又は末端に標識物質若しくは生物活性物質を有するリンカーを表し、R3は水素原子を表すか、ベンゼン環上の任意の位置に存在する1個の放射性同位体、若しくはクリック反応に用いられる官能基を表すか、又はベンゼン環上の任意の位置に存在する1個若しくは2個のアミノ基、アセトアミド基、ヒドロキシ基、アルキル基、若しくはアルコキシ基を表し、R4及びR5は、それぞれ水素原子、アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基を表す。〕
で表される化合物を、酸化剤及び金属触媒存在下で反応させ、下記の一般式(III)
【化3】
(省略)
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、A、及びLは上記と同じ意味である。〕
で表される化合物を生成させる工程を含むことを特徴とするチロシンの修飾方法。

【請求項2】
酸化剤が過酸化水素であり、金属触媒がポルフィリン金属錯体であることを特徴とする請求項1に記載のチロシンの修飾方法。

【請求項3】
一般式(II)及び(III)におけるLが、-X-[CH2CH2-Y]m-(CH2)n-Z1〔ここで、X及びYはそれぞれCH2、O、NH、S、NHCO、又はCOを表し、Z1はN3、又はCCHを表し、m及びnはそれぞれ0~12の整数を表す。〕で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のチロシンの修飾方法。

【請求項4】
一般式(II)及び(III)におけるLが、-X-[CH2CH2-Y]m-(CH2)n-Z2〔ここで、X及びYはそれぞれCH2、O、NH、S、NHCO、又はCOを表し、Z2は標識物質を含む基又は生物活性物質を含む基を表し、m及びnはそれぞれ0~12の整数を表す。〕で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のチロシンの修飾方法。

【請求項5】
一般式(II)及び(III)におけるR3が、水素原子、又はベンゼン環上の任意の位置に存在する1個のアミノ基、アセトアミド基、若しくはメトキシ基であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のチロシンの修飾方法。

【請求項6】
一般式(II)及び(III)におけるR4がメチル基又はフェニル基であり、一般式(II)におけるR5が水素原子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチロシンの修飾方法。

【請求項7】
下記の一般式(II)
【化4】
(省略)
〔式中、Aはベンゼン環を表し、Lは水素原子を表すか、又はベンゼン環上の任意の位置に存在する末端にクリック反応に用いられる官能基を有するリンカー又は末端に標識物質若しくは生物活性物質を有するリンカーを表し、R3は水素原子を表すか、ベンゼン環上の任意の位置に存在する1個の放射性同位体、若しくはクリック反応に用いられる官能基を表すか、又はベンゼン環上の任意の位置に存在する1個若しくは2個のアミノ基、アセトアミド基、ヒドロキシ基、アルキル基、若しくはアルコキシ基を表し、R4及びR5は、それぞれ水素原子、アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基を表す。〕
で表される化合物を含有するチロシン修飾剤。

【請求項8】
一般式(II)におけるLが、-X-[CH2CH2-Y]m-(CH2)n-Z1〔ここで、X及びYはそれぞれCH2、O、NH、S、NHCO、又はCOを表し、Z1はN3、又はCCHを表し、m及びnはそれぞれ0~12の整数を表す。〕で表されることを特徴とする請求項7に記載のチロシン修飾剤。

【請求項9】
一般式(II)におけるLが、-X-[CH2CH2-Y]m-(CH2)n-Z2〔ここで、X及びYはそれぞれCH2、O、NH、S、NHCO、又はCOを表し、Z2は標識物質を含む基又は生物活性物質を含む基を表し、m及びnはそれぞれ0~12の整数を表す。〕で表されることを特徴とする請求項7に記載のチロシン修飾剤。

【請求項10】
一般式(II)におけるR3が、水素原子、又はベンゼン環上の任意の位置に存在する1個のアミノ基、アセトアミド基、又はメトキシ基であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のチロシンの修飾剤。

【請求項11】
一般式(II)及び(III)におけるR4がメチル基又はフェニル基であり、一般式(II)におけるR5が水素原子であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載のチロシン修飾剤。
出願権利状態 登録
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