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圧電素子 UPDATE

国内特許コード P210017947
整理番号 2003
掲載日 2021年11月1日
出願番号 特願2020-034139
公開番号 特開2021-136675
出願日 令和2年2月28日(2020.2.28)
公開日 令和3年9月13日(2021.9.13)
発明者
  • 柳谷 隆彦
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 圧電素子 UPDATE
発明の概要 【課題】電力損失を抑えつつ、電気機械結合係数が大きい圧電素子を提供する。
【解決手段】圧電素子10は、圧電体から成る層である主圧電層11と、主圧電層11を挟むように設けられた第1電極121及び第2電極122と、主圧電層11と第1電極の間121に設けられた、主圧電層11の材料及び第1電極121の材料よりも音響インピーダンスが高い圧電体から成る高インピーダンス圧電層(第1高インピーダンス圧電層131)とを備える。主圧電層11に生成される機械振動の弾性波を高インピーダンス圧電層によって閉じ込め易くすると共に、高インピーダンス圧電層内においても該層で生じる電気機械変換によって弾性波を生成することができ、電気機械結合係数を大きくすることができる。また、第1電極121及び第2電極122には、MoやWのように音響インピーダンスが高く且つ電気抵抗の高い材料を用いる必要がないため、電力損失が抑えられる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

圧電素子には圧電体が含まれており、圧電体に交流の電気信号が入力されると機械振動が生じ、圧電体に機械振動が入力されると交流の電気信号が生じる。圧電素子は、この性質を利用して電気信号と機械振動を相互に変換(電気機械変換)することができ、無線通信の周波数フィルタに応用することができる。圧電素子の特性を示す指標の1つに、電気機械結合係数がある。電気機械結合係数は、電気機械変換におけるエネルギーの変換効率の目安を表す係数である。通信機器が備える周波数フィルタでは、電気機械結合係数が大きい方が、満たすことのできる無線規格(帯域)の数が多くなり産業上有利である。しかし、代表的な圧電体であるAlN(窒化アルミニウム)やZnO(酸化亜鉛)等を用いた圧電素子では電気機械結合係数が小さく、より電気機械結合係数を大きくすることが求められている。

特許文献1には、Mo(モリブデン)又はW(タングステン)から成る1対の電極で圧電体膜を挟んだ圧電素子が記載されている。これらMoやWは、AlNやZnO等よりも音響インピーダンスが高く、且つ、一般的な電極の材料であるAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)等よりも音響インピーダンスが高い。そのため、MoやWを圧電素子の電極の材料として用いることにより、機械振動の弾性波を圧電素子内に閉じ込め易くなり、それによって電気機械結合係数を大きくすることができる。しかしながら、MoやWは上記の一般的な電極の材料よりも電気抵抗率が高いため、MoやWから成る電極を用いた圧電素子は高周波回路における電力の損失が大きいという欠点を有する。

特許文献2には、AlやCu等の一般的な(MoやWよりも電気抵抗率が低い)電極材料から成る1対の電極で圧電層を挟み、少なくとも一方の電極と圧電層の間に、該一方の電極よりも音響インピーダンスが高い音響圧縮層を設けた圧電素子が記載されている。この構成によれば、MoやWよりも電気抵抗率が低い電極材料から成る電極を用いることで電力の損失を抑えつつ、音響圧縮層により機械振動の弾性波を圧電素子内に閉じ込めることで電気機械結合係数を大きくすることができる。音響圧縮層の材料には、W, Mo, Ir(イリジウム), Pt(白金), Ta(タンタル), TiW(チタンタングステン), TiN(窒化チタン), Au, WSi(タングステンシリコン), Cr(クロム), Al2O3(アルミナ), SiN(窒化シリコン), Ta2O5(五酸化二タンタル), ZrO2(ジルコニア)が用いられる。圧電層の材料には、AlN, ZnO(酸化亜鉛), PZT(チタン酸ジルコン酸鉛), LiNbO3(ニオブ酸リチウム)が用いられる。

産業上の利用分野

本発明は、通信機器が備える周波数フィルタ等に用いられる圧電素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) 圧電体から成る層である主圧電層と、
b) 前記主圧電層を挟むように設けられた第1電極及び第2電極と、
c) 前記主圧電層と前記第1電極の間に設けられた、該主圧電層の材料及び該第1電極の材料よりも音響インピーダンスが高い圧電体から成る高インピーダンス圧電層と、
を備えることを特徴とする圧電素子。

【請求項2】
前記主圧電層の材料がAlNであって、
前記高インピーダンス圧電層の材料が、Y, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luから選択される1種又は2種以上の元素Rを0.05以上、0.5以下の値であるx、Alを(1-x)の割合で含有するAl1-xRxNである
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。

【請求項3】
さらに、前記主圧電層と前記第2電極の間に設けられた、該主圧電層の材料及び該第2電極の材料よりも音響インピーダンスが高い圧電体から成る第2高インピーダンス圧電層を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子。

【請求項4】
前記主圧電層の材料がAlNであって、
前記第2高インピーダンス圧電層の材料が、Y, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luから選択される1種又は2種以上の元素Rを0.05以上、0.5以下の値であるy、Alを(1-y)の割合で含有するAl1-yRyNである
ことを特徴とする請求項3に記載の圧電素子。

【請求項5】
前記高インピーダンス圧電層が、前記第1電極の側面の外周に突出し、該外周を囲繞するように設けられた突出部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の圧電素子。

【請求項6】
a) 圧電体から成る層である主圧電層と、
b) 前記主圧電層を挟むように設けられた第1電極及び第2電極と、
c) 前記第1電極の、前記主圧電層側とは反対側に設けられた、該主圧電層の材料及び該第1電極の材料よりも音響インピーダンスが高い材料から成る高インピーダンス層と
を備えることを特徴とする圧電素子。

【請求項7】
さらに、前記第2電極の、前記主圧電層側とは反対側に設けられた、該主圧電層の材料及び該第2電極の材料よりも音響インピーダンスが高い材料から成る第2高インピーダンス層を備えることを特徴とする請求項6に記載の圧電素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2020034139thum.jpg
出願権利状態 公開
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