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導電体の製造方法、導電体、超伝導送電線、超伝導磁石装置及び超伝導磁気シールド装置 NEW

国内特許コード P210017962
整理番号 (S2018-0929-N0)
掲載日 2021年11月2日
出願番号 特願2020-553147
出願日 令和元年10月11日(2019.10.11)
国際出願番号 JP2019040192
国際公開番号 WO2020080279
国際出願日 令和元年10月11日(2019.10.11)
国際公開日 令和2年4月23日(2020.4.23)
優先権データ
  • 特願2018-194258 (2018.10.15) JP
発明者
  • 山本 明保
  • 植村 俊己
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 導電体の製造方法、導電体、超伝導送電線、超伝導磁石装置及び超伝導磁気シールド装置 NEW
発明の概要 鉄を含む出発材料の少なくとも表面に、以下の組成式(化1)で表される第1化合物を含む第1層を形成する導電体の製造方法において、
(AE1-x)(Fe1-yTM(As1-z・・・(化1)
出発材料を、第1元素E1及び第2元素E2を含む気体(G1)に接触させるステップS4を有する。AEは、アルカリ土類金属元素であり、Aは、アルカリ金属元素であり、TMは、遷移金属元素である。xは、0≦x<1を満たし、yは、0≦y<0.5を満たし、zは、0≦z<0.8を満たす。第1元素E1は、AEを含み、第2元素E2は、ヒ素を含む。
従来技術、競合技術の概要

鉄系超伝導体の臨界温度Tは、例えば58K程度であり、銅酸化物系超伝導体の臨界温度に次いで高い。また、鉄系超伝導体の上部臨界磁場Hc2は、例えば100Tよりも大きく、銅酸化物系超伝導体の上部臨界磁場に次いで大きい。そのため、鉄系超伝導体は、強磁場を発生させる超伝導磁石装置等、強磁場応用が期待されている。

このような鉄系超伝導体として、鉄(Fe)とヒ素(As)等の第15族元素との化合物である鉄ニクタイドが知られており、鉄ニクタイドとして、(AE,A)(Fe,TM)(As,Pn)(AEはアルカリ土類金属元素、Aはアルカリ金属元素、TMは遷移金属元素、Pnはニクトゲン元素)が知られている。このうち、BaFeAsは、上記した(AE,A)(Fe,TM)(As,Pn)の一組成であり、Ba122とも称される。

非特許文献1には、鉄系超伝導体であるBa(Fe1-xCoAs単結晶の上部臨界磁場Hc2の異方性が、2程度であり、銅酸化物系超伝導体の異方性よりも小さいことが記載されている。そのため、鉄系超伝導体の焼結体よりなる超伝導バルク体については、隣り合う2個の結晶粒の各々の配向方向のなす角度が0°から離れた場合でも、当該2個の結晶粒の間の界面を横切って流れる臨界電流密度が大きく減少することはない。従って、鉄系超伝導体の焼結体よりなる超伝導バルク体については、超伝導バルク体を形成する際に、結晶粒の配向方向を制御する必要がないので、大型の超伝導バルク体を容易に形成することができる。

特開2017-82318号公報(特許文献1)には、化学式AA’FeAsで表される鉄系化合物において、AはCaであり、A’はK、Rh及びCsから選ばれる少なくとも1つの元素であり、又は、AはSr及びEuから選ばれる少なくとも一つの元素であり、A’はRb及びCsから選ばれる少なくとも1つの元素であり、AFeAs層とA’FeAs層とが交互に積層した結晶構造を有し、結晶構造の空間群は、単純正方晶P4/mmmである技術が開示されている。

特開2014-227329号公報(特許文献2)には、鉄系超伝導材料において、ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超伝導体と、BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)で示される粒径30nm以下のナノ粒子とを有し、ナノ粒子が1×1021-3以上の体積密度で分散している技術が開示されている。

産業上の利用分野

本発明は、導電体の製造方法、導電体、超伝導送電線、超伝導磁石装置及び超伝導磁気シールド装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
鉄を含む出発材料の少なくとも表面に、以下の組成式(化1)で表される第1化合物を含む第1層を形成する導電体の製造方法において、
(AE1-x)(Fe1-yTM(As1-z・・・(化1)
(a)前記出発材料を、第1元素及び第2元素を含む第1気体に接触させ、前記出発材料に含まれる鉄と、前記第1気体に含まれる前記第1元素及び前記第2元素とを反応させることにより、前記出発材料の少なくとも表面に前記第1層を形成する工程、
を有し、
前記AEは、Ba及びSrからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記Aは、K及びNaからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記TMは、Cr、Mn、Co及びNiからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記xは、0≦x<1を満たし、
前記yは、0≦y<0.5を満たし、
前記zは、0≦z<0.8を満たし、
前記第1元素は、前記AEを含み、
前記第2元素は、ヒ素を含み、
前記xが0<x<1を満たすとき、前記第1元素は、更に前記Aを含み、
前記yが0<y<0.5を満たすとき、前記出発材料は、更に前記TMを含み、且つ、前記(a)工程では、前記出発材料に含まれる前記TM及び鉄と、前記第1気体に含まれる前記第1元素及び前記第2元素とを反応させることにより、前記出発材料の少なくとも表面に前記第1層を形成し、
前記zが0<z<0.8を満たすとき、前記第2元素は、更にリンを含む、導電体の製造方法。

【請求項2】
請求項1に記載の導電体の製造方法において、
前記(a)工程では、前記第1元素及び前記第2元素を含む固体原料と前記出発材料とを加熱し、前記固体原料を加熱することにより前記第1気体を発生させ、発生した前記第1気体に、加熱された状態の前記出発材料を接触させる、導電体の製造方法。

【請求項3】
請求項2に記載の導電体の製造方法において、
前記(a)工程では、前記固体原料を第1温度に加熱し、前記出発材料を第2温度に加熱し、前記固体原料を前記第1温度に加熱することにより前記第1気体を発生させ、発生した前記第1気体に、前記第2温度に加熱された状態の前記出発材料を接触させる、導電体の製造方法。

【請求項4】
請求項2に記載の導電体の製造方法において、
前記(a)工程では、前記固体原料を700℃以上の第3温度に加熱し、前記出発材料を700℃以上の第4温度に加熱し、前記固体原料を前記第3温度に加熱することにより前記第1気体を発生させ、発生した前記第1気体に、前記第4温度に加熱された状態の前記出発材料を接触させる、導電体の製造方法。

【請求項5】
請求項2に記載の導電体の製造方法において、
(b)前記(a)工程の前に、前記出発材料と前記固体原料とを、気密可能な容器内に配置する工程、
(c)前記(b)工程の後、前記(a)工程の前に、前記容器内を真空状態にするか、又は、前記容器内の雰囲気を不活性ガスにより置換する工程、
を有する、導電体の製造方法。

【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の導電体の製造方法において、
(d)前記(a)工程の後、第3元素を含む第2気体又は第1液体に前記第1層を接触させることにより、前記第1層に含まれる前記AEの一部を前記第3元素により置換する工程、
を有し、
前記第3元素は、K及びNaからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む、導電体の製造方法。

【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか一項に記載の導電体の製造方法において、
(e)前記(a)工程の後、第4元素を含む第3気体又は第2液体に前記第1層を接触させることにより、前記第1層に含まれるヒ素の一部を前記第4元素により置換する工程、
を有し、
前記第4元素は、リンを含む、導電体の製造方法。

【請求項8】
鉄を含む出発材料の少なくとも表面に、以下の組成式(化1)で表される第1化合物を含む第1層を形成する導電体の製造方法において、
(AE1-x)(Fe1-yTM(As1-z・・・(化1)
(a)前記出発材料を、第1元素を含む第1気体に接触させ、前記出発材料に含まれる鉄と、前記第1気体に含まれる前記第1元素とを反応させることにより、前記出発材料の少なくとも表面に、鉄とヒ素とを含む第2化合物を含む第2層を形成する工程、
(b)前記(a)工程の後、前記出発材料を、第2元素を含む第2気体に接触させ、前記第2層に含まれる前記第2化合物と、前記第2気体に含まれる前記第2元素とを反応させることにより、前記出発材料の少なくとも表面に前記第1層を形成する工程、
を有し、
前記AEは、Ba及びSrからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記Aは、K及びNaからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記TMは、Cr、Mn、Co及びNiからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記xは、0≦x<1を満たし、
前記yは、0≦y<0.5を満たし、
前記zは、0≦z<0.8を満たし、
前記第1元素は、ヒ素を含み、
前記第2元素は、前記AEを含み、
前記xが0<x<1を満たすとき、前記第2元素は、更に前記Aを含み、
前記yが0<y<0.5を満たすとき、前記出発材料は、更に前記TMを含み、且つ、前記(a)工程では、前記出発材料に含まれる前記TM及び鉄と、前記第1気体に含まれる前記第1元素とを反応させることにより、前記出発材料の少なくとも表面に、前記TM及び鉄とヒ素とを含む前記第2化合物を含む前記第2層を形成し、
前記zが0<z<0.8を満たすとき、前記第1元素は、更にリンを含む、導電体の製造方法。

【請求項9】
請求項8に記載の導電体の製造方法において、
前記(a)工程では、前記第1元素を含む第1固体原料と前記出発材料とを加熱し、前記第1固体原料を加熱することにより前記第1気体を発生させ、発生した前記第1気体に、加熱された状態の前記出発材料を接触させ、
前記(b)工程では、前記第2元素を含む第2固体原料と前記出発材料とを加熱し、前記第2固体原料を加熱することにより前記第2気体を発生させ、発生した前記第2気体に、加熱された状態の前記出発材料を接触させる、導電体の製造方法。

【請求項10】
請求項9に記載の導電体の製造方法において、
(c)前記(b)工程の後、第3元素を含む第3気体又は第1液体に前記第1層を接触させることにより、前記第1層に含まれる前記AEの一部を前記第3元素により置換する工程、
を有し、
前記第3元素は、K及びNaからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む、導電体の製造方法。

【請求項11】
請求項9又は10に記載の導電体の製造方法において、
(d)前記(b)工程の後、第4元素を含む第4気体又は第2液体に前記第1層を接触させることにより、前記第1層に含まれるヒ素の一部を前記第4元素により置換する工程、
を有し、
前記第4元素は、リンを含む、導電体の製造方法。

【請求項12】
金属鉄を主成分として含む第1層と、
前記第1層と積層された第2層と、
を有し、
前記第2層は、以下の組成式(化1)で表される第1化合物を含み、
(AE1-x)(Fe1-yTM(As1-z・・・(化1)
前記AEは、Ba及びSrからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記Aは、K及びNaからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記TMは、Cr、Mn、Co及びNiからなる群から選択された少なくとも一種の元素であり、
前記xは、0≦x<1を満たし、
前記yは、0≦y<0.5を満たし、
前記zは、0≦z<0.8を満たす、導電体。

【請求項13】
請求項12に記載の導電体において、
前記第1層と前記第2層との間に介在する介在物を有し、
前記介在物は、組成式FeAsで表される第2化合物、又は、ヒ素が固溶した鉄を含む、導電体。

【請求項14】
請求項12又は13に記載の導電体において、
前記第2層は、超伝導性を有する、導電体。

【請求項15】
請求項14に記載の導電体において、
第1面及び前記第1面と反対側の第2面よりなる線状形状又は板状形状を備え、且つ、金属鉄を主成分として含む基材を有し、
前記第1層は、前記基材の前記第1面又は前記第2面の表面層である、導電体。

【請求項16】
請求項14に記載の導電体において、
第3面及び前記第3面と反対側の第4面よりなる板状形状をそれぞれ備え、且つ、金属鉄をそれぞれ主成分として含む複数の基材を有し、
前記第1層は、前記複数の基材の各々の前記第3面又は前記第4面の表面層であり、
前記複数の基材は、前記複数の基材の各々の厚さ方向に積層されている、導電体。

【請求項17】
請求項15に記載の導電体を備えた超伝導送電線において、
前記基材は、線状形状を備えている、超伝導送電線。

【請求項18】
請求項15又は16に記載の導電体を備えた超伝導磁石装置。

【請求項19】
請求項15又は16に記載の導電体を備えた超伝導磁気シールド装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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