TOP > 国内特許検索 > 蛍光発生核酸分子、及び標的RNAの蛍光標識方法

蛍光発生核酸分子、及び標的RNAの蛍光標識方法 NEW

国内特許コード P210017972
整理番号 (AF46P002)
掲載日 2021年11月2日
出願番号 特願2020-559225
出願日 令和元年12月3日(2019.12.3)
国際出願番号 JP2019047228
国際公開番号 WO2020116446
国際出願日 令和元年12月3日(2019.12.3)
国際公開日 令和2年6月11日(2020.6.11)
優先権データ
  • 特願2018-226743 (2018.12.3) JP
発明者
  • 岡田 康志
  • 有吉 哲郎
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 蛍光発生核酸分子、及び標的RNAの蛍光標識方法 NEW
発明の概要 本発明は、細胞内、特に哺乳類の生細胞内でmRNAの可視化が可能な蛍光発生RNA、及びこれを利用する標的RNAの蛍光標識方法を提供する。本発明は、2以上の蛍光分子結合領域がリンカー配列を介して連結されている塩基配列を含み、前記蛍光分子結合領域は、足場配列中に1以上の蛍光分子結合アプタマー配列が挿入されていることを特徴とする、蛍光発生核酸分子を提供する。
従来技術、競合技術の概要

遺伝子発現がmRNAレベルでどのように制御されるかをよりよく理解するために、生細胞のmRNAの時空間動態を視覚化する方法の確立が強く求められている。生細胞内のmRNAの可視化に一般的に用いられている方法は、標的のmRNAを、MS2又はPP713等のRNAステム・ループのタグを付加して、蛍光分子と融合したタンパク質をリクルートする方法である。当該技術は、細胞質内におけるmRNAの動きを追跡したり(例えば、非特許文献1参照。)、核内で新生されたmRNAを可視化するために(例えば、非特許文献2参照。)、適用されている。しかし、タグを付加したmRNAについて、細胞内のmRNA分布のダイナミクスを可視化したり、発現レベルを測定する際に、しばしば、未結合の蛍光タンパク質の高いバックグラウンドが、結果の解釈を難しくする。

生細胞内のmRNAを視覚化する方法として、特定の標的分子に塩基配列依存的に結合するRNAアプタマーを用いる方法が候補として挙げられている。ある種のRNAアプタマーは、蛍光性の低分子化合物と結合することによってその蛍光を増強することができる(例えば、非特許文献3及び4参照。)。このようなRNAアプタマーは、蛍光発生RNA(fluorogenic RNA)ともいわれている。蛍光発生RNAとしては、例えば、GFP(Green fluorescent protein)の蛍光団の類似体であるDFHBI(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシベンジリデンイミダゾリノン)ファミリーの低分子の蛍光分子と結合するSpinachやBroccoli、及びこれらの誘導体がある(例えば、非特許文献5、特許文献1参照。)。

産業上の利用分野

本発明は、RNAを蛍光標識するための蛍光発生核酸分子、及び当該蛍光発生核酸分子を用いて標的RNAを蛍光標識する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
2以上の蛍光分子結合領域がリンカー配列を介して連結されている塩基配列を含み、
前記蛍光分子結合領域は、足場配列中に1以上の蛍光分子結合アプタマー配列が挿入されていることを特徴とする、蛍光発生核酸分子。

【請求項2】
前記リンカー配列の長さが20塩基以上である、請求項1に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項3】
前記リンカー配列が、特定の立体構造を形成していない、請求項1又は2に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項4】
前記蛍光分子結合領域は、前記足場配列中に2以上の前記蛍光分子結合アプタマー配列が挿入されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項5】
前記蛍光分子結合領域が、2以上のループ構造を含有するステム・ループ構造を形成する1本鎖核酸分子のうちの少なくとも2の前記ループ構造が、前記蛍光分子結合アプタマー配列に置換されている構造からなる、請求項4に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項6】
前記蛍光分子結合アプタマー配列が、G-quadruplex構造で挟まれているステム・ループ構造を形成する1本鎖核酸分子の塩基配列を含有しており、
前記ステム・ループ構造が、4~6塩基のステム構造と4塩基のループ構造からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項7】
前記蛍光分子結合アプタマー配列が、Broccoli、Broccoli3、又はdBroccoliである、請求項1~6のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項8】
前記蛍光分子結合領域が、配列番号16又は17で表される塩基配列からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項9】
前記リンカー配列が、配列番号18~20のいずれかで表される塩基配列からなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項10】
前記蛍光分子結合アプタマー配列を4以上含有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項11】
前記蛍光分子結合アプタマー配列が結合する蛍光分子が、DFHBIファミリーの蛍光分子である、請求項1~10のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子。

【請求項12】
標的RNAを蛍光標識する方法であって、
標的RNAに、請求項1~11のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子を直接又は間接的に連結させた後、前記蛍光発生核酸分子中の前記蛍光分子結合アプタマー配列が結合する蛍光分子と接触させる、標的RNAの蛍光標識方法。

【請求項13】
前記標的RNAが、標的遺伝子の転写産物であり、
前記標的遺伝子の3’非翻訳領域に、前記蛍光発生核酸分子をコードする塩基配列を組み込んだ細胞の細胞内に、前記蛍光発生核酸分子中の前記蛍光分子結合アプタマー配列が結合する蛍光分子を導入し、前記標的遺伝子の転写産物と前記蛍光分子とを結合させる、請求項12に記載の標的RNAの蛍光標識方法。

【請求項14】
標的RNAを蛍光標識する方法であって、
標的RNAを含有する試料に、前記標的RNAの一部分とハイブリダイズするプローブを請求項1~11のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子に直接又は間接的に連結させた核酸分子と、前記核酸分子中の前記蛍光分子結合アプタマー配列が結合する蛍光分子とを混合する、標的RNAの蛍光標識方法。

【請求項15】
外来遺伝子の発現を制御するプロモーターと、
前記プロモーターの下流にあり、前記外来遺伝子のコーディング領域を挿入するための制限酵素部位と、
前記制限酵素部位の下流に3’非翻訳領域と、を有しており、
前記3’非翻訳領域が、請求項1~11のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子をコードする塩基配列を含む、ベクター。

【請求項16】
足場配列中に1以上の蛍光分子結合アプタマー配列が挿入されている蛍光分子結合領域が2以上、リンカー配列を介して連結されている塩基配列を含む蛍光発生核酸分子における前記リンカー配列を設計する方法であって、
1の前記蛍光分子結合領域の上流及び下流に候補リンカー配列を連結したRNA配列を評価用RNA配列とし、
前記評価用RNA配列中の前記蛍光分子結合領域の立体構造の予測結果が、前記蛍光分子結合領域のみからなるRNA配列の立体構造の予測結果と同一であり、かつ、前記候補リンカー配列部分が立体構造をとらないと予測されるように、前記リンカー配列を設計する、リンカー配列の設計方法。

【請求項17】
前記候補リンカー配列が、制限酵素部位にランダムなRNA配列が付加された配列である、請求項16に記載のリンカー配列の設計方法。

【請求項18】
前記候補リンカー配列の長さが、20塩基以上80塩基以下である、請求項16又は17に記載のリンカー配列の設計方法。

【請求項19】
請求項11に記載の蛍光発生核酸分子に、DFHBIファミリーの蛍光分子を結合させた後、前記DFHBIファミリーの蛍光分子の励起光を一定時間連続照射し、照射開始時点の蛍光シグナルの輝度値から照射終了時点の蛍光シグナルの輝度値を差し引いた輝度値を、前記蛍光発生核酸分子と結合している前記DFHBIファミリーの蛍光分子から発される蛍光シグナルとして検出する、蛍光発生核酸分子と結合している蛍光分子から発される蛍光シグナルの検出方法。

【請求項20】
前記DFHBIファミリーの蛍光分子と結合した前記蛍光発生核酸分子に、前記励起光を、一定時間連続照射した後に一定時間照射を中断する照射サイクルで、複数回繰り返し照射し、
前記照射サイクルごとに、連続照射時の照射開始時点の蛍光シグナルと照射終了時点の蛍光シグナルを検出し、
全照射サイクルで検出された連続照射時の照射開始時点の蛍光シグナルの輝度値を平均化し、
全照射サイクルで検出された連続照射時の照射終了時点の蛍光シグナルの輝度値を平均化し、
平均化された照射開始時点の蛍光シグナルの輝度値から、平均化された照射終了時点の蛍光シグナルの輝度値を差し引いたものを、前記蛍光発生核酸分子と結合した前記DFHBIファミリーの蛍光分子の蛍光シグナルとして検出する、請求項19に記載の蛍光発生核酸分子と結合している蛍光分子から発される蛍光シグナルの検出方法。

【請求項21】
請求項1~11のいずれか一項に記載の蛍光発生核酸分子と、前記蛍光発生核酸分子中の前記蛍光分子結合アプタマー配列と結合する蛍光分子との結合を阻害する物質をスクリーニングする方法であって、
前記蛍光発生核酸分子と前記蛍光分子とが存在している反応系に、阻害物質の候補物質を共存させて、前記蛍光分子が発する蛍光シグナルを測定し、得られた輝度値が、前記候補物質非存在下において前記蛍光発生核酸分子と結合した前記蛍光分子が発する蛍光シグナルの輝度値よりも小さい場合に、前記候補物質を、前記阻害物質として選抜する、スクリーニング方法。

【請求項22】
前記蛍光発生核酸分子中の蛍光分子結合アプタマー配列が、G-quadruplex構造で挟まれているステム・ループ構造を形成する1本鎖核酸分子の塩基配列であり、
前記蛍光分子がDFHBIファミリーの蛍光分子であり、
前記阻害物質が、G-quadruplex構造をほどき戻す活性を有している、請求項21に記載のスクリーニング方法。

【請求項23】
前記蛍光発生核酸分子と前記候補タンパク質を共発現させた細胞に、前記蛍光分子を導入して蛍光シグナルを測定し、得られた輝度値が、前記蛍光発生核酸分子のみを発現させた細胞に前記蛍光分子を導入して得られた蛍光シグナルよりも小さい場合に、前記候補タンパク質を、G-quadruplex構造をほどき戻す活性を有する物質として選抜する、請求項22に記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close