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核物質検知装置、核物質検知方法、試料分析方法 UPDATE

国内特許コード P210017973
整理番号 14212
掲載日 2021年11月9日
出願番号 特願2020-006793
公開番号 特開2021-113751
出願日 令和2年1月20日(2020.1.20)
公開日 令和3年8月5日(2021.8.5)
発明者
  • 米田 政夫
  • 藤 暢輔
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 核物質検知装置、核物質検知方法、試料分析方法 UPDATE
発明の概要 【課題】一次中性子成分と、これによって試料から発生する二次中性子成分が共に検出される場合に、適切に二次中性子成分を認識して試料の分析を行う。
【解決手段】中性子検出器20は、中性子1個を吸収する度にパルス出力をする。解析装置30は、中性子検出器20における中性子の検出タイミングの時間差を算出する時間差算出部31と、この時間差のデータから上記の認識を行う解析部32を具備する。時間差算出部31は、中性子検出器20が中性子を検出した度に、この検出タイミングよりも前に中性子を検出した検出タイミングとの時間差Δtを算出し、解析部32はこの値を認識し、認識されたΔtの全てを記憶し、測定の終了後にそのヒストグラムを生成する。Δtのヒストグラムから試料Sにおける核物質の検知、その含有量を推定することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

核物質(核分裂物質)が発する中性子を認識することによって、核物質を検知する技術が知られている。中性子は物質透過性が高いため、これによって手荷物、コンテナ、車両等の内部に存在する核物質を検知することもできる。図8は、このような核物質検知方法の原理を模式的に説明する図である。

ここでは、容器100の内部に、核物質の存在の有無が検知される対象となる試料Sが収容されている。中性子源110から発せられた中性子線120(一次中性子)は、容器100を透過して試料Sに照射される。これによって、試料S側から発せられる中性子として、一次中性子が試料Sによって散乱された成分である一次中性子成分(一次信号)130と、試料S中に核物質が存在する場合に一次中性子によって核物質が核反応を起こしたために発生した中性子(二次中性子)による二次中性子成分(二次信号)140とが存在する。容器100の外部の中性子検出器150は、一次中性子成分130、二次中性子成分140を共に検出し、特に二次中性子成分140を有意に認識した場合には、試料Sに核物質が存在すると判定することができる。一方、一次中性子成分130は、試料Sにおける核物質の有無に関わらず存在する。なお、図11においては便宜上一次中性子成分130と二次中性子成分140の向きは異なって示されているが、これらが発せられる向きは特に変わらず、実際にはこれらは混在している。

中性子検出器150は、これに入射した中性子を検出することができるが、検出した中性子が一次中性子成分130、二次中性子成分140のどちらであるかを判定することは容易ではない。上記のような二次中性子成分140を認識することにより核物質を検知するための手法として、例えばDDT(Differential Die-Away Technique)法が知られている。DDT法においては、上記の中性子線120として、持続時間の短いパルス(短パルス)状に発せられた中性子線が用いられる。図9は、こうした場合における中性子検出器150のカウント数(対数表示)の中性子線の照射終了時からの時間経過を模式的に示す。この場合においては、中性子線120が制御された短パルス状に発せられれば、一次中性子成分130は、図9においては短い時定数で減衰する破線(1)の成分として観測される。一方、一次中性子による核反応は一次中性子の入射後の一定の時間にわたり発生するため、二次中性子成分140は一次中性子成分130から遅延して検出され、図9においては長い時定数で減衰する点線(2)の成分として観測される。実際にはこの(1)の成分と(2)の成分とは中性子検出器150で区別されずに検出されるため、こうした成分が混在する場合には、実際の検出結果は、図9において(1)と(2)が共に含まれる実線で示されるような特性となる。

実際には図9における(1)の成分の最大強度は(2)の成分の最大強度よりも桁違いに大きいため、特に(2)の成分のみを認識することは一般的には容易ではない。DDT法においては、中性子線120(一次中性子)を短パルス状とし、(1)と(2)における時定数の違いを考慮し、中性子線120がオフとなった後で(1)の成分が十分に減衰した後で支配的となった(2)の成分を検出する。これによって二次中性子成分140を認識することができる。こうした技術は、例えば非特許文献1に記載されている。

また、特許文献1には、炉雑音解析処理として知られる手法によって核物質の分析を行う手法が記載されている。ここでは、パルス状の中性子の照射からの一定時間(例えば50msec)経過後において、時間幅(ゲート幅)を特定して中性子の計数を行い、この計数値の平均値、分散から雑音成分(Y値)が算出され、このY値のゲート幅依存性より、核物質を検知することができる。また、測定時間を長く設定して測定の統計的誤差を減少させることによって、試料における核物質の定量分析も行うことができる。

産業上の利用分野

本発明は、核物質が発する放射線を検出することによって試料中の核物質を検知する核物質検知装置、核物質検知方法に関する。また、本発明は、一次信号を試料に照射して発生した二次信号を検出することによって試料の分析を行うための試料分析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
核物質が一次放射線の照射に起因した核反応によって発した二次放射線を検出することによって、試料における前記核物質を検知する核物質検知装置であって、
強度が時間的に変化する放射線を前記一次放射線として前記試料に照射する放射線源と、
前記試料の側から発せられた前記放射線を入射の度に検出する放射線検出器と、
一定の測定期間の中において、前記放射線検出器が前記放射線を検出した際に、当該放射線の検出タイミングと、当該放射線よりも前に検出された前記放射線の検出タイミングの時間差を算出する時間差算出部と、
前記時間差のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムにおける前記二次放射線の寄与を推定して前記核物質の検知をする解析部と、
を具備することを特徴とする核物質検知装置。

【請求項2】
前記解析部は、前記試料における前記核物質の存在を検知、または定量することを特徴とする請求項1に記載の核物質検知装置。

【請求項3】
前記放射線は中性子線であり、前記放射線検出器は中性子を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の核物質検知装置。

【請求項4】
前記放射線源は、
前記放射線を定常的に発する中性子線源と、
前記中性子線源が固定された回転体と、を具備し、
前記中性子線源と前記試料との間の距離が変化するように前記回転体が回転駆動されることを特徴とする請求項3に記載の核物質検知装置。

【請求項5】
前記放射線源は、パルス状の前記放射線を周期的に発することを特徴とする請求項3に記載の核物質検知装置。

【請求項6】
核物質が一次放射線の照射に起因した核反応によって発し、かつ前記一次放射線と同種の二次放射線を認識することによって、試料における前記核物質を検知する核物質検知方法であって、
強度が時間的に変化する放射線を前記一次放射線として前記試料に対して照射し、
前記試料の側から発せられた前記放射線を入射の度に検出する放射線検出器を用い、一定の測定期間の中において、前記放射線が検出された際に、当該放射線の検出タイミングと、当該放射線よりも前に検出された前記放射線の検出タイミングの時間差を算出する時間差測定工程と、
前記時間差のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムにおける前記二次放射線の寄与を推定して前記核物質の検知をする分析工程と、
を具備することを特徴とする核物質検知方法。

【請求項7】
前記放射線は中性子線であり、前記放射線検出器は中性子を検出することを特徴とする請求項6に記載の核物質検知方法。

【請求項8】
計数可能な一次信号を試料に照射することによって発生し計数可能な二次信号を検出器で測定する際に、前記二次信号と共に前記一次信号も検出される場合における、前記二次信号によって前記試料の分析を行う試料分析方法であって、
強度が時間的に変化する前記一次信号を前記試料に対して照射し、
前記試料の側から発せられた前記一次信号及び前記二次信号を入射の度に検出する検出する検出器を用い、
一定の測定期間の中において、前記一次信号又は前記二次信号が検出された際の検出タイミングと、当該検出タイミングよりも前に認識された検出タイミングとの時間差を算出する時間差測定工程と、
前記時間差のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムにおける前記二次放射線の寄与を推定し、前記試料の分析を行う分析工程と、
を具備することを特徴とする試料分析方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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