TOP > 国内特許検索 > クロマン化合物誘導体の製造方法

クロマン化合物誘導体の製造方法 コモンズ

国内特許コード P04P001323
整理番号 B12P07
掲載日 2004年10月21日
出願番号 特願2003-043326
公開番号 特開2004-250386
登録番号 特許第3797618号
出願日 平成15年2月20日(2003.2.20)
公開日 平成16年9月9日(2004.9.9)
登録日 平成18年4月28日(2006.4.28)
発明者
  • 石原 一彰
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 クロマン化合物誘導体の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】高純度なクロマン化合物誘導体を高収率で得ることができ、大量に製造されているα-トコフェロールを有機金属を使用せず、環境破壊を抑制して高純度、高収率で得ることができ、工業化を図ることができる。
【解決手段】p-ベンゾキノンと、α-アリルアルコールとを、パーフルオロアルキルスルホンメタン等や、パーフルオロアリールビス(パーフルオロアルキルスルホン)メタンや、これらのパーフルオロアルキルスルホンメタン等のアルキルシラン化合物を触媒としてクロマン化合物誘導体を得る。
従来技術、競合技術の概要


従来から、ビタミンEとして知られているα-トコフェロールは、2,5,7,8-テトラメチル-2-(4’,8’,12’-トリメチル-トリデシル)-6-クロマノールであるクロマン化合物誘導体であって、ビタミンE群のうち最も活性が高く、医薬品として大量に生産されている。かかるα-トコフェロールは、2位の不斉炭素原子に関して天然品はd形であるが、トリメチルヒドロキノンと、ジエン又はアリルアルコールとを酸触媒存在下、反応させて得られる合成品はdl光学異性体混合物であって、生産コストの削減のため、高収率で、純度の高い製品を合成できる触媒について研究されている。



例えば、反応式(VI)に示すように、トリメチルヒドロキノン(a)と非環の1,3-ジエン(b)との反応において、フッ化ホウ素(III)・ジエチルエーテル(BF3・Et2O)や塩化スズ(IV)等を触媒とすると、まず、プロトンの付加が位置選択的に生じて1,3-ジエンの環化(c)が起こり、その後、トリメチルヒドロキノンのヒドロキシ基と環化した1,3-ジエンとが結合してスピロ化合物(d)が主成分として合成されるのに対し、p-トルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を触媒としたとき、反応式(VII)に示すように、共役ジエンにプロトン付加が生じ、トリメチルヒドロキノンのヒドロキシ基と共役ジエンが結合して環を形成したクマノール誘導体(e)が形成されることが明らかにされた。そして、ミルセンとトリメチルヒドロキノンとの反応において、(+)-10-カンホルスルホン酸を触媒としたとき、クマノール誘導体(e)が73%の収率で得られ、得られたクマノール誘導体の水素付加によりα-トコフェロールが高収率で得られることが示された(例えば、非特許文献1参照。)。



【化15】




【化16】




また、トリメチルヒドロキノンとイソフィトールとの反応において、モンモリロナイトの金属塩がα-トコフェロールの生成を高収率で得られる触媒として有用であることが報告されている。特に、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、スズ等とモンモリロナイトの塩が有効であり、トルエン、イソブチルエーテル等の溶媒中でその作用が顕著であり、反復して使用可能であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。
また、トリメチルヒドロキノンとイソフィトールとの反応において、極性非プロトン性溶媒、特に、2相溶媒中で、パーフルオロアルカンスルホニルイミンや、ペンタフルオロベンゼンスルホニルイミン等のフッ素化イミン化合物[(Rf1SO2)(Rf2SO2)NH]を触媒としたとき、少ない触媒量で高収率で生成物が得られることが明らかにされている(例えば、非特許文献3参照。)。



この他、トリメチルヒドロキノンのイソフィトールとの触媒縮合によるd,l-α-トコフェロールの製造の際、トリフルオロメタンスルホンイミド[HN(SO2CF32]、又は式:Met[N(SO2CF32n(式中、Metは、リチウム、スカンジウム等を表す)で示される金属塩と強酸を組み合わせた触媒を用いることが示され(例えば、特許文献1、2参照。)、また、有機溶媒中で一般式(I):〔(R1SO22N〕x2 〔式中、各R1は、独立に、ペルフルオロアルキル基:Cn2n+1又はペンタフルオロフェニルを表す〕等で示されるパーフルオロアルカンスルホンイミド又はその金属塩の存在下で反応を行う方法(例えば、特許文献3参照。)や、エステル形極性溶媒中でブレンステッド酸とハロゲン化亜鉛の存在下で反応を行なう方法(例えば、特許文献4参照。)や、金属イオン交換モンモリロナイト(IV)、金属イオン交換ベントナイト(V)、金属イオン交換サポナイト(VI)存在下に行なう方法(例えば、特許文献5参照。)等が明らかにされている。



【特許文献1】
特表2001-504111号公報
【特許文献2】
特開平10-1477号公報
【特許文献3】
特開2002-128775号公報
【特許文献4】
特表2002-526489号公報
【特許文献5】
特開平7-330754号公報
【非特許文献1】
Matsui,M.、Yamamoto,H.著「Bull.Chem.Soc.Jan.,68、No.9」1995年p.2657-2661
【非特許文献2】
Matsui,M.、Yamamoto,H.著「Bull.Chem.Soc.Jpn.,69,No.1」1996年p.137-139
【非特許文献3】
Bonrath,W.、Haas,A.、Hoppmann,E.、Netscher,T.、Pauling,H.、Schager,F.、Wildermann,A.著「Adv.Synth.Catal.,344、No.1」2002年p.37-39
【非特許文献4】
Ishihara,K.、Kubota,M.、Yamamoto,H.著「SYNLETT」1996年p.1045-1046

産業上の利用分野


本発明は、クロマン化合物誘導体、詳しくはα-トコフェロールを高収率、高純度で製造できる製造方法や、クロマン化合物誘導体の製造に使用する触媒に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)
【化1】


(式中、R~Rは、互いに独立して水素原子、又は未置換若しくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示されるp-ベンゾキノンと、α-アリルアルコールとを、一般式(II)
【化2】


(式中、Rf、Rfは、互いに独立してパーフルオロアルキル基を表し、Rfはパーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基又は1H,1H-パーフルオロアルコキシ基を有するフルオロアリール基を表す。)で示される化合物と
一般式(VIII)
SiR10111213 (VIII)
(式中、R10~R12は独立してアルキル基を表し、R13はアリル基又はヒドリド基等を表す)で示されるアルキルシラン化合物誘導体との反応生成物からなるアルキルシラン化合物を含有する触媒存在下で反応させることを特徴とする、一般式(III)
【化3】


(式中、R~Rは、一般式(I)におけるR~Rと同じものを表し、R、Rは互いに独立して水素原子(但し、同時に水素原子である場合を除く。)、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、又は未置換若しくは置換基を有するアルケニル基を表す。)で示されるクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項2】
α-アリルアルコールが、一般式(IV)
【化4】


(式中、R又はRのいずれか一方が、一般式(V)
【化5】


(式中、nは0~5の整数を表す。)で示されるアルキル基を表し、他方がC1~C3のアルキル基を表し、R、Rが水素原子を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項3】
α-アリルアルコールがイソフィトールであることを特徴とする請求項2記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項4】
α-アリルアルコールが、一般式(IV)
【化6】


(式中、R又はRのいずれか一方が、一般式(V)
【化7】


(式中、nは0~5の整数を表す。)で示されるアルキル基を表し、他方がC1~C3のアルキル基を表し、R、Rが水素原子を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項5】
α-アリルアルコールがフィトールであることを特徴とする請求項4記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項6】
一般式(II)で示される化合物が、ペンタフルオロフェニルビス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンであることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項7】
一般式(II)で示される化合物のアルキルシラン化合物が、一般式(II)で示される化合物とメタリルトリメチルシランとの反応生成物であることを特徴とする請求項1~6のいずれか記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項8】
触媒が、一般式(VIII)
SiR10111213 (VIII)
(式中、R10~R12は独立してアルキル基を表し、R13はアリル基又はヒドリド基等を表す)で示されるアルキルシラン化合物誘導体を含有することを特徴とする請求項1~のいずれか記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項9】
アルキルシラン化合物誘導体が、メタリルトリメチルシランであることを特徴とする請求項記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項10】
溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1~のいずれか記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項11】
溶媒が、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソブチルエーテルであることを特徴とする請求項10記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項12】
クロマン化合物誘導体が、α-トコフェロールであることを特徴とする請求項1~11のいずれか記載のクロマン化合物誘導体の製造方法。

【請求項13】
一般式(I)
【化8】


(式中、R~Rは、互いに独立して水素原子、又は未置換若しくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示されるp-ベンゾキノンと、α-アリルアルコールとを反応させ、一般式(III)
【化9】


(式中、R~Rは、一般式(I)におけるR~Rと同じものを表し、R、Rは互いに独立して水素原子(但し、同時に水素原子である場合を除く。)、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、又は未置換若しくは置換基を有するアルケニル基を表す。)で示されるクロマン化合物誘導体製造用触媒であって、一般式(II)
【化10】


(式中、Rf、Rfは、独立してパーフルオロアルキル基を表し、Rfはパーフルオロアルキル基、パ-フルオロアリール基又は置換基として1H,1H-パーフルオロアルコキシ基を有するフルオロアリール基を表す。)で示される化合物と
一般式(VIII)
SiR10111213 (VIII)
(式中、R10~R12は独立してアルキル基を表し、R13はアリル基又はヒドリド基等を表す)で示されるアルキルシラン化合物誘導体との反応生成物からなるアルキルシラン化合物であることを特徴とするクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項14】
α-アリルアルコールが、一般式(IV)
【化11】


(式中、R又はRのいずれか一方が、一般式(V)
【化12】


(式中、nは0~5の整数を表す。)で示されるアルキル基を表し、他方がC1~C3のアルキル基を表し、R、Rが水素原子を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項13記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項15】
α-アリルアルコールがイソフィトールであることを特徴とする請求項14記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項16】
α-アリルアルコールが、一般式(IV)
【化13】


(式中、R又はRのいずれか一方が、一般式(V)
【化14】


(式中、nは0~5の整数を表す。)で示されるアルキル基を表し、他方がC1~C3のアルキル基を表し、R、Rが水素原子を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項13記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項17】
α-アリルアルコールがフィトールであることを特徴とする請求項16記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項18】
一般式(II)で示される化合物が、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン又はペンタフルオロフェニルビス(パーフルオロメタンスルホニル)メタンであることを特徴とする請求項1317のいずれか記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項19】
一般式(II)で示される化合物のアルキルシラン化合物が、一般式(II)で示される化合物とメタリルトリメチルシランとの反応生成物であることを特徴とする請求項1318のいずれか記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項20】
一般式(VIII)
SiR10111213 (VIII)
(式中、R10~R12は独立してアルキル基を表し、R13はアリル基又はヒドリド基等を表す)で示されるアルキルシラン化合物誘導体を含有することを特徴とする請求項1319のいずれか記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。

【請求項21】
アルキルシラン化合物誘導体が、メタリルトリメチルシランであることを特徴とする請求項20記載のクロマン化合物誘導体製造用触媒。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

14443_19SUM.gif
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成12年度採択課題
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close