Top > Search of Japanese Patents > METHOD FOR CREATING DISEASE-RESISTANT PLANT USING ACIDIC THAUMATIN PROTEIN GENE

METHOD FOR CREATING DISEASE-RESISTANT PLANT USING ACIDIC THAUMATIN PROTEIN GENE

Patent code P04A005242
Posted date Jan 11, 2005
Application number P2002-000962
Publication number P2003-199448A
Patent number P3716302
Date of filing Jan 7, 2002
Date of publication of application Jul 15, 2003
Date of registration Sep 9, 2005
Inventor
  • (In Japanese)青木 秀之
  • (In Japanese)矢頭 治
  • (In Japanese)中島 敏彦
  • (In Japanese)黒田 秧
Applicant
  • (In Japanese)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
Title METHOD FOR CREATING DISEASE-RESISTANT PLANT USING ACIDIC THAUMATIN PROTEIN GENE
Abstract PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for creating pathogenic fungus-resistant or disease-resistant plants by using an acidic thaumatin protein.
SOLUTION: This method for creating the pathogenic fungus-resistant or the disease-resistant plants involves a step for introducing a specific expression vector to a plant cell. The expression vector contains the following polynucleotide and can express the polynucleotide; (a) a polynucleotide encoding an acidic thaumatin protein of a pear, having an amino acid sequence described in 1-244 positions of a specific amino acid residue, or (b) a polynucleotide encoding a protein having insertion, deletion and/or substitution of one or more amino acids in the amino acid sequence of the acidic thaumatin protein of the pear. The protein is acidic, and has antidermatophytic activities.
Outline of related art and contending technology (In Japanese)



イネは日本を含むアジアの主作物であり、そのためアジア諸国では古くからイネの収量増加のための研究が行われてきた。イネの収量を減少させる主要な原因の一つに病害がある。植物の病原体としては、糸状菌を含む真菌類、細菌、ウイルス、ウイロイド、ファイトプラズマ、線虫、昆虫などが知られており、これらの病原体は単独でも病因となり得るが、実際には、複数の病原体が関与することが多い。





イネに深刻な被害をもたらす病害の例としては、例えば、いもち病(Pyricularia oryzae)や白葉枯病(Xanthomonas campestris)などが挙げられる。いもち病は日本で最も恐れられている病害であり、主に日本の中部から北部にかけて長雨、冷害に伴って発生する。いもち病は糸状菌病の一種である。いもち病に冒されたイネは黒色の斑点型病斑を生じ、イネの成長を停止し、症状が進むと枯死する。白葉枯病は細菌病の一種であり、九州から東南アジアにかけて深刻な被害をもたらす病害である。白葉枯病に冒されたイネは、白褐色の病斑が葉縁に沿って拡大し、葉全体が枯死する(Ohata,1989,Zenkoku Noson Kyoiku Kyokai Co.Ltd.563頁)。





植物は病原体の侵入シグナルを認識すると、植物を防御するために感染特異的タンパク質(PRタンパク質)を誘導発現し防御応答を行う(Bowles, 1990, Annu. Rev. Biochem. 59, 873)。PRタンパク質はその機能、性質から現在14種類に分類されており、それらの多くは抗菌活性を有するタンパク質である。この様に病原体の感染によって誘導されるPRタンパク質は、病原体に直接作用することによって植物の防御機構に関わっていると考えられている(Van Loon,1994,Plant Mol.Biol.Report.12,245;Van Loon,1999,Physiol.Mol.Plant Path.55,85)。これまでにPRタンパク質の性質を利用して、PR2(グルカナーゼ)やPR3(キチナーゼ)を遺伝子組換えする事によって、植物に病害抵抗性をもたらした報告が成されている(Nishizawa,1999,Kagaku to Sheibutsu 37,295)。





タウマチン様タンパク質はPR5に属するタンパク質であり、その等電点から塩基性型、酸性型、および中性型に大別される。塩基性型と酸性型のタウマチン様タンパク質は、発現する細胞学的位置、誘導因子、および抗菌性を示す病原性真菌に対して特異性があることが知られている(Ibeasら、Plant J.(2000)23(3):375-383;Grenierら、Plant J.(1999)19(4):473-480;Nikiら、Plant Cell Physiol.(1998)39(5):500-507;Singhら、Plant Physiol.(1987)85:529-536を参照のこと)。詳細には、塩基性型タウマチン様タンパク質は、液胞に局在して発現し、主に創傷(wounding)によって発現が誘導されることが公知である。また、塩基性型タウマチン様タンパク質は、人為的なジャスモン酸処理によっても発現が誘導されることが公知である。一方で、酸性型タウマチン様タンパク質は、細胞外に分泌されることが公知であり、主に感染(infection)によって誘導される。また、酸性型タウマチン様タンパク質は、人為的なサリチル酸処理によっても発現が誘導されることが公知である。さらに、塩基性型タウマチン様タンパク質と酸性型タウマチン様タンパク質が示す真菌抵抗性には特異性があることも公知である。詳細には、インビトロにおいて、塩基性型タウマチン様タンパク質によって生育が抑制された病原性真菌が、酸性型タウマチン様タンパク質によっては生育に影響を受けず、同様に、酸性型タウマチン様タンパク質によって抑制された病原性真菌が、塩基性型タウマチン様タンパク質によっては抑制されなかったという報告が成されている(Vigers,1992,Plant Sci.83,155)。





塩基性型タウマチン様タンパク質はその抗菌性に関して早くから研究がなされており、病原菌の細胞壁に存在する糖鎖を認識して抗菌性をもたらすことが分かっている(Ibeas,2000,Plant J.23,375)。また塩基性型タウマチン様タンパク質の遺伝子導入によって病害抵抗性が付与された結果も複数報告されている(Liu,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91,1888;Malehorn,1994,Plant Physiol.106,1471;Liu,1996,Plant Sci.121,123)。





一方、酸性型タウマチン様タンパク質遺伝子に関する研究は、これまでほとんど進展していない。これまでに、酸性型タウマチン様タンパク質は、真菌類(例えば、糸状菌(Trichoderma reesei、Alternariasolani、Verticillum albo-atrum、Verticillum dahliae、Fusarium oxysporum、Cercospora beticola)、および酵母(Candida albicans、Saccharomyces cerevisiae))に対して抗菌性を示すことがインビトロで確認されているのみであった(Hu,X.およびReddy,A.S.N.、Plant Molecular Biology 34:949-959(1997);Vigers,A.J.ら、Plant Science 83:155-161(1992);およびGrenier,J.ら、Plant Physiol.103:1277-1283(1993)を参照のこと))。そして、過去に酸性型タウマチン様タンパク質の植物への遺伝子導入実験が行われたが、組換え体は病害抵抗性をもたらさなかった(表1を参照のこと)。





【表1】




そのため、酸性型タウマチン様タンパク質は、少なくとも単独では病害抵抗性に関与しないのではないかという議論も成されていた(Linthorst,1989,Plant Cell 1,285)。これまでに、本発明者らによって、酸性型タウマチン様タンパク質の1つであるナシのPsTL1をイネで発現させて、糸状菌病であるいもち病に対する抵抗性を付与しようとする試みがなされている(青木ら、第23回 日本分子生物学会年会講演要旨集、507頁(2000年11月25日発行))。しかしこれまで、酸性型タウマチン様タンパク質を植物に導入して病原性細菌抵抗性または複合病害抵抗性の付与に成功した研究は発表されていない。

Field of industrial application (In Japanese)



本発明は、新しい育種素材・新品種の開発に利用できる有用遺伝子の新規の機能を明らかにし、この機能を利用して病原性細菌抵抗性または複合病害抵抗性の植物を作出する方法、ならびにこの遺伝子を含み、病原性細菌抵抗性または複合病害抵抗性を有する植物に関する。さらに詳細には、本発明は、酸性型タウマチン様タンパク質遺伝子を用いて病原性細菌抵抗性または複合病害抵抗性の植物を作出する方法、ならびに酸性型タウマチン様タンパク質遺伝子を含み、病原性細菌抵抗性または複合病害抵抗性を有する植物に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
病原性細菌に対して抵抗性を有する植物を作出するための方法であって、以下の酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチド:
(a)配列番号2のアミノ酸残基1~244位に記載されるアミノ酸配列を有するナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)をコードするポリヌクレオチド;または
(b)該ナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)のアミノ酸配列において1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、および/もしくは置換を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、ここで該タンパク質は酸性でありかつ抗真菌活性を有する、ポリヌクレオチド、
を含有しかつ発現し得る発現ベクターを、植物細胞に導入する工程を包含する、方法。

【請求項2】
 
前記発現ベクターが導入された植物細胞を、前記酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現し、そして病原性細菌に対して抵抗性を有する植物体に再生する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
 
前記病原性細菌が、白葉枯病細菌(Xanthomonas campestris)である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
 
前記植物が、単子葉植物または双子葉植物である、請求項1に記載の方法。

【請求項5】
 
前記植物が単子葉植物である、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
 
前記単子葉植物がイネ科植物である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
 
前記イネ科植物がイネである、請求項6に記載の方法。

【請求項8】
 
病原性細菌に対して抵抗性を有する植物を作出するための方法であって、以下の酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチド:
(c)配列番号1のヌクレオチド残基35~766位に記載されるヌクレオチド配列を含む、ナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)をコードするポリヌクレオチド;または
(d)該ナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)をコードするポリヌクレオチドに対してストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
を含有しかつ発現し得る発現ベクターを、植物細胞に導入する工程を包含する、方法。

【請求項9】
 
前記発現ベクターが導入された植物細胞を、前記酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現し、そして病原性細菌に対して抵抗性を有する植物体に再生する工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
 
前記病原性細菌が、白葉枯病細菌(Xanthomonas campestris)である、請求項8または9に記載の方法。

【請求項11】
 
前記植物が、単子葉植物または双子葉植物である、請求項8に記載の方法。

【請求項12】
 
前記植物が単子葉植物である、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
 
前記単子葉植物がイネ科植物である、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
 
前記イネ科植物がイネである、請求項13に記載の方法。

【請求項15】
 
少なくとも2つの病原体に対する複合病害抵抗性を有する植物を作出するための方法であって、以下の酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチド:
(a)配列番号2のアミノ酸残基1~244位に記載されるアミノ酸配列を有するナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)をコードするポリヌクレオチド;または
(b)該ナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)のアミノ酸配列において1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、および/もしくは置換を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、ここで該タンパク質は酸性でありかつ抗真菌活性を有する、ポリヌクレオチド、
を含有しかつ発現し得る発現ベクターを植物細胞に導入する工程を包含
該少なくとも2つの病原体は、少なくとも1つの病原性真菌および少なくとも1つの病原性細菌または少なくとも2つの病原性細菌を含む、方法。

【請求項16】
 
前記発現ベクターが導入された植物細胞を、前記酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現し、そして少なくとも2つの病原体に対する複合病害抵抗性を有する植物体に再生する工程をさらに包含する、請求項15に記載の方法。

【請求項17】
 
前記病原体が、病原性真菌および病原性細菌を含む、請求項15または16のいずれかに記載の方法。

【請求項18】
 
前記少なくとも2つの病原体が、病原性真菌と病原性細菌との組み合わせである、請求項17に記載の方法。

【請求項19】
 
前記少なくとも2つの病原体が、いもち病菌(Pyricularia oryzae)と白葉枯病菌(Xanthomonas campestris)との組み合わせである、請求項18に記載の方法。

【請求項20】
 
前記植物が、単子葉植物または双子葉植物である、請求項15に記載の方法。

【請求項21】
 
前記植物が単子葉植物である、請求項20に記載の方法。

【請求項22】
 
前記単子葉植物がイネ科植物である、請求項21に記載の方法。

【請求項23】
 
前記イネ科植物がイネである、請求項22に記載の方法。

【請求項24】
 
少なくとも2つの病原体に対する複合病害抵抗性を有する植物を作出するための方法であって、以下の酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチド:
(c)配列番号1のヌクレオチド残基35~766位に記載されるヌクレオチド配列を含む、ナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)をコードするポリヌクレオチド;または
(d)該ナシの酸性型タウマチン様タンパク質(PsTL1)をコードするポリヌクレオチドに対してストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
を含有しかつ発現し得る発現ベクターを、植物細胞に導入する工程を包含
該少なくとも2つの病原体は、少なくとも1つの病原性真菌および少なくとも1つの病原性細菌または少なくとも2つの病原性細菌を含む、方法。

【請求項25】
 
前記発現ベクターが導入された植物細胞を、前記酸性型タウマチン様タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現し、そして少なくとも2つの病原体に対する複合病害抵抗性を有する植物体に再生する工程をさらに包含する、請求項24に記載の方法。

【請求項26】
 
前記病原体が、病原性真菌および病原性細菌を含む、請求項24または25のいずれかに記載の方法。

【請求項27】
 
前記少なくとも2つの病原体が、病原性真菌と病原性細菌との組み合わせである、請求項26に記載の方法。

【請求項28】
 
前記少なくとも2つの病原体が、いもち病菌(Pyricularia oryzae)と白葉枯病菌(Xanthomonas campestris)との組み合わせである、請求項27に記載の方法。

【請求項29】
 
前記植物が、単子葉植物または双子葉植物である、請求項24に記載の方法。

【請求項30】
 
前記植物が単子葉植物である、請求項29に記載の方法。

【請求項31】
 
前記単子葉植物がイネ科植物である、請求項30に記載の方法。

【請求項32】
 
前記イネ科植物がイネである、請求項31に記載の方法。

【請求項33】
 
請求項1に記載の方法によって作出された、植物組織。

【請求項34】
 
カルスおよび芽条原基からなる群から選択される、請求項33に記載の植物組織。

【請求項35】
 
請求項2に記載の方法によって作出された植物体であって、前記酸性型タウマチン様タンパク質を発現し、そして病原性細菌に対して抵抗性を有する、植物体。

【請求項36】
 
請求項35に記載の植物体から得られる、植物組織。

【請求項37】
 
前記植物組織が、葉、茎、根、花粉、種子胚、および種子からなる群より選択される、請求項36に記載の植物組織。

【請求項38】
 
請求項8に記載の方法によって作出された、植物組織。

【請求項39】
 
カルスおよび芽条原基からなる群から選択される、請求項38に記載の植物組織。

【請求項40】
 
請求項9に記載の方法によって作出された植物体であって、前記酸性型タウマチン様タンパク質を発現し、そして病原性細菌に対して抵抗性を有する、植物体。

【請求項41】
 
請求項40に記載の植物体から得られる、植物組織。

【請求項42】
 
前記植物組織が、葉、茎、根、花粉、種子胚、および種子からなる群より選択される、請求項41に記載の植物組織。

【請求項43】
 
請求項15に記載の方法によって作出された、植物組織。

【請求項44】
 
カルスおよび芽条原基からなる群から選択される、請求項43に記載の植物組織。

【請求項45】
 
請求項16に記載の方法によって作出された植物体であって、前記酸性型タウマチン様タンパク質を発現し、そして少なくとも2つの病原体に対する複合病害抵抗性を有する、植物体。

【請求項46】
 
請求項45に記載の植物体から得られる、植物組織。

【請求項47】
 
前記植物組織が、葉、茎、根、花粉、種子胚、および種子からなる群より選択される、請求項46に記載の植物組織。

【請求項48】
 
請求項24に記載の方法によって作出された、植物組織。

【請求項49】
 
カルスおよび芽条原基からなる群から選択される、請求項48に記載の植物組織。

【請求項50】
 
請求項25に記載の方法によって作出された植物体であって、前記酸性型タウマチン様タンパク質を発現し、そして少なくとも2つの病原体に対する複合病害抵抗性を有する、植物体。

【請求項51】
 
請求項50に記載の植物体から得られる、植物組織。

【請求項52】
 
前記植物組織が、葉、茎、根、花粉、種子胚、および種子からなる群より選択される、請求項51に記載の植物組織。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

※Click image to enlarge.

13417_01SUM.gif
State of application right Registered


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close