Top > Search Research paper > (In Japanese)超迅速なDNA解読方法の開発

(In Japanese)超迅速なDNA解読方法の開発

Research report code R090000018
Posted date Mar 6, 2009
Researchers
  • (In Japanese)小寺 一平
Affiliation
  • (In Japanese)科学技術振興機構
Report name (In Japanese)超迅速なDNA解読方法の開発
Technology summary (In Japanese)30億塩基対にも及ぶヒトゲノムをはじめ、高等生物が有する総DNA塩基数は膨大であり、これらを解読するためには多大な労力と時間、コストが要求される。一方で、ゲノム情報学などの発展により個体レベルでの塩基配列解析方法が確立しつつあり、DNA塩基配列解読に対する需要はますます増大している。近年、サンガ一法に替わる次世代型DNA塩基配列解読装置が実用化され、ヒトゲノム計画の1000分の1程度のコストでゲノムの再シーケンシングが可能となった。これらの技術は、基礎研究に対して大きく貢献し、ゲノム情報を活用した新しい研究領域が立ち上がりつつある。こうした技術は大幅なコストの低下をもたらしたが、DNA解読技術を医療など幅広い分野に応用するためには、さらに1000倍程度の効率化が必要とされている。一定の成果を収めた次世代型DNA塩基配列解読法ではあるが、技術的な限界も露呈しつつある。現在実用化されている技術は、何れもバルク系の観察に基づく方法である。すなわち、多数の分子の平均シグナルを検出することで塩基配列情報を読み込むアプローチである。解析対象のDNA断片を多数用意するためには、DNA断片のクローニングや試験管内増幅と言った複雑で非常に手間の掛かる作業が必要である。次世代型技術の最大の律速点は、解読プロセスそのものではなく、サンプルの調整にある。このような技術的障壁は、多数分子の平均シグナルを解読しようとする限り原理的に避けられないものである。この問題を解決するためには、個々のDNA分子を直接読み取る1分子観察技術の導入が不可欠である。1分子DNA解読法について現在幾つかの方法が考案されているが、主流はDNAポリメラーゼによる塩基の重合過程を直接観察しようとするものである。しかし、DNAポリメラーゼの反応速度は非常に速いため検出感度とS/N比の問題が未解決である。また、ポリメラーゼの機能を阻害することなく基質に蛍光標識を結合させることも大変困難である。そこで本研究では、新しいDNA塩基配列解読反応を開発し、これを1分子観察することで並列的で高効率なDNAシーケンシングを実現することを目指している。Type IIS型制限酵素はDNA認識部位と切断部位が異なるため、プローブDNAに制限酵素の認識部位を、解析対象DNAに切断部位を設けることで、解析対象DNAを任意の塩基数だけ削除する反応が可能となる。この過程を可視化することでDNA塩基配列の解読が可能になると考えた。プローブDNAは突出末端の種類に応じて複数を用意し、それぞれに異なる蛍光標識を行う。また解析対象DNAは基板の表面に固定することで、プローブが基板表面に連続的に結合する反応が起こる。これを全反射照明と組み合わせると、DNAの結合により基板表面付近に固定されたプローブDNAのみを検出し、プローブに修飾されている蛍光標識の波長から解析対象DNAの突出末端の種類が判明する。こうした反応を段階的に繰り返すことでDNAの塩基配列を解読することができる。さらに、すべてのプローブと酵素を混ぜて反応させることで、DNA削除過程の連鎖反応が可能である。この連鎖反応を高感度カメラで捉えることで、高速なDNAシーケンシングが可能になると考えた。本研究では、こうした様々な要素技術の基礎を確立して組合せ、1分子観察に基づく超並列的なDNA解読技術の実現を最大のねらいとしている。
Drawing

※Click image to enlarge.

R090000018_01SUM.gif R090000018_02SUM.gif
Published papers related (In Japanese)・Kotera I, Nagai T、A high-throughput and single-tube recombination of crude PCR products using a DNA polymerase inhibitor and type IIS restriction enzyme、J Biotechnol. 137(1-4):1-7、2008年
・Wataru Tomosugi, Tomoki Matsuda, Tomomi Tani, Tomomi Nemoto, Ippei Kotera, Kenta Saito, Kazuki Horikawa and Takeharu Nagai、An ultramarine fluorescent protein with increased photostability and pH insensitivity、Nature Methods、in submission
Research project
  • Precursory Research for Embryonic Science and Technology.;Structure Function and Measurement Analysis
Information research report
  • (In Japanese)小寺 一平. 超迅速なDNA解読方法の開発. さきがけ 3領域合同研究報告会 講演要旨集「構造機能と計測分析」. p.17 - 20.

PAGE TOP